玉城城

玉城城（たまぐすくぐすく、たまぐすくじょう）

玉城城は、沖縄県南城市（旧玉城村）に位置するグスク（城）跡であり、1987年8月21日に国の史跡として指定されました。

概要

玉城城は、自然の地形を活かした高台に築かれています。正確な築城年代は不明ですが、石垣の構造から約600年前のものと推定されています。城は主郭跡、二の郭跡、三の郭跡の三つの郭に分かれています。

しかし、二の郭と三の郭の石垣は、沖縄戦後の米軍統治時代に、隣接する米軍基地「知念補給地区」（キャンプ知念）の建設資材として崩され、利用されてしまいました。現在残っているのは、主郭跡の城壁や石敷などの遺構のみとなっています。主郭の城壁はほぼ完全な形で残っており、自然の岩盤をくり抜いて造られた城門が特徴的です。

本丸跡には、琉球開闢の七岳の一つとされる「天つぎあまつぎ御嶽（うたき）」があり、東御廻り（あがりうまーい）と呼ばれる巡礼行事の聖地となっていました。沖縄のグスクは、単なる軍事的な施設ではなく、祭祀的な性格も持っていることが指摘されています。玉城城も規模が比較的小さく、宗教的な要素が強かったのではないかと考えられています。

舜天王統第三代の義本王は、失政により玉城城で火あぶりに処される際、雨粒が天から降り注ぎ、火を消して義本を救ったという伝説が残っています。その後、義本は難を逃れて北部を放浪し、辺戸岬など北部には義本を祀る墓や祠が多く存在します。

脚注

関連項目

グスク
九州・沖縄地方の史跡一覧

外部リンク

国指定文化財等データベース

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