玉屋庄兵衛

玉屋庄兵衛とその歴史

玉屋庄兵衛（たまやしょうべえ）は、名古屋を拠点にする9代目のからくり人形師であり、その歴史は長い伝統に裏打ちされています。初代の庄兵衛は江戸時代の享保18年（1733年）に活動を始め、尾張藩の7代藩主・徳川宗春の招きで名古屋に移り住みました。この初代の影響から、以降、多くの人形師が「玉屋庄兵衛」の名を継承していくことになります。

歴代玉屋庄兵衛

歴代の玉屋庄兵衛には個性豊かな人々が存在し、彼らはそれぞれの時代の技術や考え方を反映したからくり人形を製作してきました。以下では、歴代の庄兵衛について簡単に紹介します。

二代目

二代目は1800年代初頭の人物で、文政2年（1819年）に亡くなったとされています。その詳細な記録は少ないものの、先代の技術を引き継いだことでしょう。

三代目・四代目

この2人は共に文政頃の人たちとされますが、彼らの具体的な業績については詳細が不明です。時代背景から考えると、江戸のからくり技術が成熟していった時期にあたります。

五代目

五代目は幕末から明治にかけて活躍し、本姓は荒川です。彼の作品は嘉永6年（1853年）頃から確認されており、明治21年（1888年）に逝去しました。五代目の活動は明治時代のからくり人形の発展に寄与しました。

六代目

六代目は本名を高科正芳といい、旧尾張藩士の家に生まれました。山車の前棚人形を多く手掛け、昭和5年（1930年）に亡くなりました。彼の作品は地方の伝統を受け継ぎ、継続的に評価されていました。

七代目

七代目の高科正守は大正12年（1923年）生まれ、昭和63年（1988年）に亡くなります。彼は父・岩次郎が大正12年に六代目と養子縁組したことで、幼少期からからくり技術に親しみました。独学で学び、からくり人形の復元に力を注ぎましたが、オリジナルからの乖離に対する批判もありました。

八代目

八代目の高科正夫（昭和25年（1950年）- 平成7年（1995年））は、25歳で七代目に弟子入りし、昭和63年に伝統のからくりを製作しながらも、コンピュータ制御の導入など新たな挑戦を行いました。最終的に彼は弟に名を譲る形で、初代萬屋仁兵衛を名乗ることになりました。

九代目

現在の九代目は高科庄次（1954年6月13日生まれ）で、25歳の時に七代目に弟子として学びました。1995年に名を継ぎ、犬山市文化史料館のからくり展示館でのパフォーマンスや、各地の山車からくりの修復などを行っています。また、2005年には大英博物館に茶運び人形を寄贈し、2014年には現代の名工として表彰されています。

まとめ

玉屋庄兵衛は、過去から続く伝統を重んじると共に、新しい技術が加わったからくりの可能性を探求しています。その情熱と技術は、名古屋地域ばかりでなく、全国に影響を与え続けることでしょう。

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