玉野三平

玉野三平（たまの さんぺい）

玉野三平は、1886年（明治19年）3月25日に生まれ、1958年（昭和33年）5月2日に没した、昭和期の政治家であり実業家です。彼は山口県徳山市長として、戦後の復興期における市政運営に重要な役割を果たしました。

生い立ちと初期の経歴

玉野は山口県玖珂郡玖珂村（現在の岩国市玖珂町）で生を受けました。1905年（明治38年）から小学校教員として勤務する傍ら、1909年（明治42年）には文官普通試験に合格しました。その後、1912年（大正元年）11月に山口県大島郡役所に奉職し、行政官としてのキャリアをスタートさせました。

1919年（大正8年）6月には山口県内務部に転じ、1928年（昭和3年）6月には学務部社寺兵事課長兼知事官房主事という要職を歴任しました。これらの職務を通じて、玉野は地方行政における幅広い経験と知識を培いました。

徳山市助役から市長へ

1936年（昭和11年）4月、玉野は徳山市助役に就任し、1944年（昭和19年）6月までその職を務めました。助役として市政に携わった後、三菱化成工業富田工場に一時勤務しましたが、1945年（昭和20年）9月には徳山市長に就任し、市政のトップとして手腕を振るうこととなりました。

市長在任中、玉野は戦後の混乱期における市の再建に尽力しました。市行政機構の改革、市庁舎の移転、徳山文化連盟の発足、徳山都市計画事業復興土地区画整理施工規程の交付など、様々な事業を推進し、市民生活の安定と都市の復興に貢献しました。

市長退任後

1947年（昭和22年）3月に徳山市長を退任した後も、玉野は徳山市の発展に貢献し続けました。徳山市公平委員会委員、同市教育委員会委員長、周防食糧社長などの要職を歴任し、地域社会の発展に尽力しました。1955年（昭和30年）10月には、市制20周年を記念して市政功労者表彰を受け、その功績が称えられました。

1958年（昭和33年）5月2日、玉野三平は胃潰瘍のため、その生涯を閉じました。彼の遺志は、その後の徳山市の発展に受け継がれ、現在に至っています。

玉野三平は、激動の時代に地方自治体のかじ取り役として、その手腕を発揮し、地域社会の発展に大きく貢献した人物として、その名が記憶されています。

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