玖珂町

玖珂町（くがちょう）

玖珂町は、かつて山口県玖珂郡に存在した自治体です。2006年3月20日に岩国市および玖珂郡内の町村（和木町を除く）と合併し、岩国市玖珂町となりました。玖珂町は山口県内で最後まで残った、合併等を行ったことのない珍しい自治体でした。

地理

岩国市の南部に位置し、北部は山地、南東部は丘陵地、南西部は玖珂盆地の東半分を占めています。笹見川と水無川が流れ、その流域に開けた扇状地を中心に集落が形成されています。近年は交通の発達や住環境の整備が進み、岩国市や周南市のベッドタウンとしての側面も持ち合わせています。

歴史

玖珂町には、古墳時代の遺跡が残されており、古くから人々が生活していたことが伺えます。古代には山陽道が町内を東西に走り、玖珂郡の中心として郡家が置かれていました。石山寺には平安時代の戸籍帳が残されており、国宝に指定されています。

戦国時代には、領主の杉氏が大内氏に属していましたが、厳島の戦い後、毛利氏の勢力下に入りました。関ヶ原の戦い後、毛利氏の国替えに伴い、玖珂は岩国領（吉川氏）となり、隣接する高森地域は徳山藩（毛利氏）となりました。江戸時代には吉川藩の代官所が置かれ、300軒余りの店が並ぶ集落を中心とした農村として発展しました。

明治時代には、ハワイへの契約移民や朝鮮への移住者が多く見られました。しかし、教育には熱心な地域であり、「教育村」とも呼ばれていました。

地名の由来

地名の由来は、奈良時代にこの地から玖の玉と珂の玉の2つの霊玉が出現したという伝説に由来します。

合併後の玖珂町

玖珂町は岩国市との合併により、岩国市玖珂町となりました。現在も、玖珂総合支所が置かれ、地域住民の行政サービスを担っています。また、高森みどり中学校・高森高等学校や玖珂中学校、玖珂小学校など、教育機関も充実しています。

産業と特産品

玖珂町の特産品としては、牛肉や米麺が挙げられます。特に「玖珂うどん」は名物として知られています。

交通

玖珂町には、JR岩徳線の欽明路駅と玖珂駅があり、鉄道でのアクセスが可能です。また、山陽自動車道の玖珂インターチェンジがあり、車での移動も便利です。

主な道路:

(E2) 山陽自動車道
国道2号
国道437号
山口県道15号岩国玖珂線

主な施設

岩国市役所玖珂総合支所
山口県立高森みどり中学校・高森高等学校
岩国市立玖珂中学校
岩国市立玖珂小学校
岩国市立玖珂幼稚園
玖珂中央幼稚園
岩国市玖珂公民館
岩国市立玖珂図書館
岩国警察署玖珂交番
玖珂郵便局
島田川公園
桜づつみ公園

出身著名人

末川博 - 民法学者、元立命館大学総長
田村和希 - 駅伝競技者
* 内山ショート - シンガーズハイGt／Vo

玖珂町は、歴史と自然に恵まれた地域であり、岩国市の一部として新たな発展を続けています。

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