玉野市立玉野商工高等
学校(たまのしりつ たまのしょうこうこうとうがっこう)は、
岡山県玉野市に所在する市立の高等
学校です。「玉野商工(たまのしょうこう)」の通称で親しまれています。
概要
本校は、かつて
造船業で栄えた
玉野市を代表する商業高校として、
1957年(昭和32年)に設立されました。瀬戸内海を挟んで
香川県に接する地域特性から、学区は
岡山県全域に加えて
香川県直島町も含まれており、広範囲から生徒が集まる
学校となっています。
校訓として「誇り・ゆとり・粘り」を掲げ、生徒一人ひとりが自信を持ち、心に余裕を持ちながら、困難にも諦めずに粘り強く取り組む姿勢を育むことを教育の柱としています。また、商業の守護神とされるヘルメス神を
学校のシンボルとしており、校内にはヘルメス像が設置され、校歌の歌詞にもその名が刻まれています。
沿革
学校の歴史は、
1957年4月4日に
岡山県玉野市立商業高等
学校として設立認可されたことに始まります。同年4月20日には開校式が執り行われ、当初は
玉野市立備南高等
学校の校舎を借りて授業を行いました。1959年3月26日に現在の地に移転し、新しい校舎での教育がスタート。同年4月1日には
岡山県玉野市立玉野商業高等
学校へと校名が改称されました。1960年3月には校旗と校歌が制定され、1962年10月には
学校のシンボルであるヘルメス像が完成しています。
学科の変遷として、1963年4月1日に商業経営科が設置されましたが、1973年4月1日には廃止されています。その後の1995年4月1日には情報ビジネス科が設けられ、時代の変化に合わせた教育内容の拡充が図られました。施設面では、1996年2月に旧西門が正式な校門として整備され、1998年10月1日には新しい校舎が完成するなど、学習環境の改善が進められました。
2007年に入ると、5月17日に文部科学省より「目指せスペシャリスト(スーパー専門高校)」事業の研究指定校に選定され、専門性の高い教育が評価されました。同年4月1日には、情報ビジネス科を改編する形でビジネス情報科が設置されています。また、同窓会館の完成(2007年10月3日)や、第3棟新校舎の完成(2015年5月19日)など、施設面の充実も図られています。
2018年4月1日には、
学校の名称が現在の
玉野市立玉野商工高等
学校へと改称されるとともに、機械科が新設されました。近年では、2023年から生徒の全国募集も開始され、より多様な生徒を受け入れる体制が整えられています。
設置課程・学科
現在、全日制課程に2つの学科が設置されています。
ビジネス情報科
情報活用、会計処理、マーケティング、グローバル経済など、ビジネスに関する幅広い知識と技術を基礎から応用まで体系的に学習します。卒業後の進路は多様で、専門知識を活かした就職はもちろん、
国公立大学や
私立大学への進学にも対応しており、高い就職率と幅広い進学実績を誇ります。
機械科
2018年に新設された学科で、
造船の町である
玉野市の地域特性を活かした学びを展開しています。設置と同時に整備された三井
造船の企業構内にある実習施設を利用し、現役の技術者・技能者から直接指導を受けることができる実践的な教育が最大の特色です。また、三井
造船をはじめとする地域の
造船関連企業への見学も頻繁に実施されており、現場の雰囲気に触れる機会が多くあります。卒業までに
技能士や
危険物取扱者といった国家資格の取得を奨励・支援しており、将来のエンジニアや
マイスター育成を目指しています。
学校行事
主な
学校行事として、4月20日の開校記念日に行われる開校記念行事があります。式典の後には、1961年から毎年続く伝統行事である「すき焼きパーティー」が開催され、生徒や教職員が交流を深めます。秋には
学校祭である「雄心祭」が例年10月に開催され、生徒たちの発表や催しで賑わいます。
部活動
運動部・文化部ともに多岐にわたる部活動が活発に活動しています。
運動部:バレーボール部、バスケットボール部、バドミントン部、卓球部、陸上競技部、ソフトボール部、サッカー部、硬式野球部、ソフトテニス部、柔道部、弓道部。
文化部:報道部、吹奏楽部、家庭科部、華道・茶道部、ワープロ部、演劇部、ダンス部、簿記部、書道部、美術部、情報処理部、珠算・電卓部、機械工作部。
* 同好会:ゴルフ同好会(2008年度発足)。
所在地
岡山県玉野市玉6丁目1番1号
主な出身者
実業界や漫画、スポーツなど、様々な分野で活躍する卒業生を輩出しています。主な出身者には、
大黒天物産株式会社創業者の大賀昭司氏、
漫画家の
一条ゆかり氏、
プロ野球選手の
山﨑友輔氏、女子競輪選手の三宅愛梨氏などがいます。
本校は、地域との連携を深めながら、商業・工業分野の専門的な知識と技術を習得させ、社会で活躍できる人材の育成を目指しています。広域からの入学者を受け入れつつ、きめ細やかな指導で生徒の進路実現をサポートしています。