玉高丸

玉高丸（たまたかまる）

玉高丸は、四国急行フェリーによって運航されていたフェリーで、かつて宇野港と高松港を結ぶ航路で重要な役割を果たしました。船名は玉野市と高松市から由来しており、地域に密着した存在であったことを表しています。2019年12月16日をもってこの航路は休止となり、その歴史に幕を下ろしました。

歴史と運航の変遷

玉高丸は、1956年に初代の船が登場したことから始まります。当初は木造の貨物フェリーとしてサービスを提供していましたが、1960年代に入ると鋼船への移行が進みました。特に第十一玉高丸からは、旅客フェリーとしての機能が充実し、バスやトラックの輸送能力も高められました。船内にはテレビや売店、マッサージチェア、さらには無料の浴室も設けられ、旅客サービスも向上しました。

1988年に瀬戸大橋が開通すると、就航する船の車両航送能力がさらなる向上を遂げましたが、旅客定員は逐次減少しました。これは、貨物の輸送需要が高まり、効率的に運航する必要性が生じたためと考えられます。

船舶の進化

玉高丸系列には多くの船舶が存在し、それぞれが異なる時代を象徴しています。初代から第八十七玉高丸まで、船舶は増々大型化し、性能や定員も向上しました。以下に、いくつかの代表的な船舶のスペックを示します。

• - 第一玉高丸：1956年進水。全長21m、総トン数58.30tで、旅客定員は12名。
• - 第十一玉高丸：1962年竣工。全長38.4m、総トン数194.6t（後に235tに変更）。旅客定員は12名、乗用車24台の積載が可能。
• - 第二十一玉高丸：1964年に運航開始。全長39.2m、総トン数312t、旅客定員263名である。
• - 第八十一玉高丸（初代）：1988年に竣工し、全長73m、総トン数833tで、旅客定員480名を誇りました。

多くの船舶は、運航後も構造や機能の改良が施され、時代のニーズに対応して進化を続けてきました。このように、玉高丸はその長い歴史を通じて、地域の交通手段として重要な存在であり続けました。

最後の航行とその後

最終的に、2017年3月には第八十五玉高丸と第八十七玉高丸が相次いで引退し、新たに就航した「第一しょうどしま丸」が高松-宇野航路での運航を引き継ぎました。その後、2019年12月に旅客運航が休止され、玉高丸の名は日本の航路の歴史の中での一つとして記憶されています。

まとめ

玉高丸は、四国急行フェリーの重要な航路の一部として、地域の交通を支える役割を果たしてきました。その旅客サービスの充実や、効率的な貨物輸送の実現により、多くの人々に利用されてきたかけがえのない存在だったといえます。今後は、一連の歴史とそこでの経験を踏まえ、さらなる発展に期待が寄せられています。

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