王は愛する

王は愛する：高麗時代の愛憎劇

2017年、韓国MBCで放送された時代劇『王は愛する』は、高麗時代を舞台に、王位継承者である世子と、彼を取り巻く二人の女性、そして親友の複雑な愛憎劇を描いた作品です。全40話というスケールで、愛と裏切り、運命の歯車が絡み合う、壮大な歴史ロマンが展開されます。

物語の中心人物は、元朝の皇帝を祖父に持つ世子、ワン・ウォンです。父王からの冷遇を受けながらも、親友であるワン・リンと共に、自由な日々を送っていました。しかし、ある日、彼らは高麗一の豪商の妻殺害事件を目撃します。この事件をきっかけに、豪商の娘ウン・サンと運命的に出会うことになります。

ワン・ウォンとワン・リンは、事件で両親を失ったウン・サンを庇い、身分を隠して暮らすよう彼女を導きます。7年後、美しく成長したウン・サンと再会したワン・ウォンは、彼女に惹かれていきます。しかし、ワン・リンもまた、ウン・サンへの秘めた想いを抱いており、3人の間に複雑な三角関係が生まれます。

このドラマは、単なる恋愛物語にとどまりません。高麗時代の政治的陰謀や権力闘争、それぞれの登場人物の葛藤や成長、そして時代背景も丁寧に描かれています。ワン・ウォンは、王として成長していく過程で、数々の試練や苦悩を経験します。冷酷な政治の世界と、揺れ動く自身の心を葛藤しながら、彼は真の王へと歩みを進めていきます。

ワン・リンは、王である親友を影から支え続ける忠実な護衛武士です。ワン・ウォンへの揺るぎない友情と、ウン・サンへの愛という相反する感情の間で苦悩します。彼の行動は、友情と愛の狭間で揺れる人間の複雑な心を鮮やかに描き出しています。

ウン・サンは、悲劇的な過去を乗り越え、たくましく生きる女性です。彼女は、二つの愛の間で揺れ動きながらも、自身の運命に立ち向かっていきます。彼女自身の成長と、周囲の人々との絆が、物語に深みを与えています。

『王は愛する』は、イム・シワン、ユナ（少女時代）、ホン・ジョンヒョンら人気俳優が出演し、高い演技力で物語を彩っています。特に、イム・シワンにとって、入隊前の最後のテレビドラマとなった作品であることも注目を集めました。

韓国のみならず、日本をはじめ世界108ヵ国以上で放送され、高い人気を博した本作は、時代劇としての見応えはもちろん、登場人物たちの繊細な感情描写や、緻密なストーリー展開も見どころです。歴史ロマンと人間ドラマが融合した、見応えのある作品と言えるでしょう。

日本での放送は、BS朝日、テレビ大阪、テレ朝チャンネル1、サンテレビ、テレビ愛知など、複数のチャンネルで放送され、幅広い視聴者に楽しまれています。高麗時代の歴史に興味のある方、切ない恋愛ドラマが好きな方、そして壮大なスケールの時代劇を求める方、全ての方にオススメの作品です。

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