王岐山

王岐山の人生と業績

生い立ちと教育

王岐山（おう きざん）は1948年7月1日に山東省青島市に生まれました。本籍は山西省天鎮県で、文化大革命の真っただ中である1969年から陝西省の労働に従事しました。1973年に西北大学で歴史を専攻し、1976年に卒業。彼の経歴は史学研究から始まり、1979年に中国社会科学院近代歴史研究所で経済問題に目覚めました。まさにこの時期が改革開放の幕開けであり、経済的な試行錯誤の始まりでした。

中央政界、金融界への道

王は1982年に政治界に足を踏み入れ、党中央書記処での経験を経て、1989年には中国人民建設銀行の副行長に就任しました。さらに1993年には中央銀行の副行長となり、1995年には中国国際金融有限公司の設立を主導しました。この銀行は中国初の国際的な投資銀行として注目され、王はその会長の地位を兼任しました。

経済危機の「消火隊長」

1997年の香港返還後、アジア通貨危機が広がる中で、王は広東省の金融問題を見事に処理しました。特に、債務超過の広東国際信託投資公司（GITIC）の再建に成功し、金融危機を乗り越える手腕を発揮しました。その後、2000年には国務院経済体制改革弁公室主任に就任し、2012年に党中央政治局常務委員に選ばれるまで、彼の政治的影響力はますます強くなりました。

国務院副総理への道

王は2008年に国務院副総理に任命され、グローバル金融危機に重要な役割を果たしました。中国は王の下で4兆元の景気刺激策を実施し、迅速な経済回復を遂げ、世界経済を支える存在となりました。この功績から、彼は国務院の中でも特に経済のエキスパートとして認識され、「経済皇帝」などと称されることもありました。

政治局常務委員と腐敗撲滅

2012年には党中央政治局常務委員に選出され、腐敗撲滅のために高い評価を受けました。特に、彼が主導した腐敗防止策は江沢民派を中心に多くの官僚が摘発され、その過程では権力闘争とも絡む場面も見受けられました。また、王はその人物像から「火消し役」と呼ばれることもありました。

国家副主席へ

2018年に国家副主席に選出され、「習・王体制」として習近平総書記と共に国家の方針を決定する重要な立場に立つことになりました。王は外交政策においても活躍し、国際的な場で中国の立場を強化する役割を担いました。特に、米中貿易戦争の中で中国の立場を守るために尽力しました。

影響力の変遷

2020年以降、王の影響力の低下が指摘されるようになりました。特に、彼の友人が党から除名されるなどの事件が続き、彼自身の立場も揺らぎました。それでもなお、彼は外交面での役割を果たし、重要な国際会議にも出席してきました。

最後に

王岐山のキャリアは多くの困難と成功に満ちています。中国の政治、経済において彼が果たした役割は計り知れず、今後の動向にも注目が集まります。彼の持つ広範な知識と経験は、今後の中国にとっても貴重な資源であり続けるでしょう。

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