現神姫

現神姫

『現神姫』（あらがみひめ）は、天乃咲耶によるファンタジー漫画です。2002年から2006年まで連載され、全9巻で完結しました。作者初の連載作品であり、日本神話や能などの要素を取り入れた、現代を舞台とした和風ファンタジー作品です。

あらすじ

物語は、15歳の女子中学生である蘇芳千姫を中心に展開されます。千姫は、祟り森で兄と二人で暮らしていますが、実は彼女は、全ての命を生み出す力を持つ「現神姫」の転生体でした。前世での夜刀彦との盟約により、現神姫としての運命を背負わされた千姫は、自身の宿命に翻弄されながらも、様々な出会いと戦いを経て成長していきます。

登場人物

蘇芳千姫（すおう かずき）
本作のヒロイン。15歳の女子中学生。前世は暁生丸であり、夜刀彦との盟約によって現神姫となる運命を背負っています。心優しい性格ですが、気が強く活動的な一面も持ち合わせています。恋愛には疎い。
暁生丸（あこうまる）
千姫の前世。約500年前、清姫を救うために夜刀彦と盟約を結び、現神姫となることを受け入れました。清姫を深く愛しています。
草薙司狼（くさなぎ しろう）
15歳の中学生。能の家元の長男。前世は暁生丸に仕えた木霊であり、暁生丸を護れなかったことを後悔しています。夜刀彦と契約したことで、肉体と人格を乗っ取られていきます。千姫を守ることを誓っています。
蘇芳真咲（すおう まさき）
20歳の青年。千姫の兄。千姫を護るためならば手段を選ばないシスコン。その行動の裏には、500年前の清姫への想いが隠されています。
清姫（せいひめ）
城主の姫。暁生丸に愛されています。篝によって拉致され、その後、夜刀彦を護ることを誓い、司狼の魂を縛ります。
久我圭介（くが けいすけ）
20歳の青年。寺の次男。修験者。真咲の親友で、千姫を護ってきました。女たらしな一面も。
雪花（きら）
飯綱。人形を与えられた霊的動物。千姫を護ることが存在理由。虎弥太と行動を共にする。
草薙虎弥太（くさなぎ こやた）
12歳の少年。司狼の弟。先天性の心臓病を患っています。雪花のことが好き。
篝（かがり）
蛭子族最後の生き残りの青年。現神姫を探しています。目的は、母や自分の生きた証を祖神蛭子として残すこと。実は夜刀彦を封じた神。
斎（さい）
篝に仕える男装の少女。術を使うことができます。篝の意思を護ることが生きる支え。
八百比丘尼（やおびくに）
調伏や治癒などの術を使う尼。千姫が真実に触れないように気を配っています。その正体は現神姫。
夜刀彦（やとひこ）
刀に宿る神。千姫を妻にしようと企んでいます。正体は国津神の須佐乃袁尊。
蝶羽（あげは）
飯綱使い。白蓮（久我）を探しています。

用語解説

現神姫（あらがみひめ）
本作の題名であり、重要なキーワード。生き神のことで、全ての命を生み出す力を持っています。
蛭子族（ひるこぞく）
蛭子神の末裔だと自称する一族。物の怪を従わせる能力を持っていますが、血が薄まると衰えていきます。
女アレルギー（おんなアレルギー）
草薙司狼のアレルギー症状。女性に触れると鳥肌が立ちます。ただし、人間の女性限定。原因は不明。

『現神姫』は、和風ファンタジーの世界観の中で、神と鬼の戦い、前世からの因縁、そして登場人物たちの複雑な想いが絡み合う物語です。ぜひ一度手に取って、その魅力に触れてみてください。

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