球電

球電について

球電（きゅうでん）は、大気中に漂う帯電した球状の光体を指し、特に雷雨などの気象条件下でよく目撃されます。この現象は、モノクロの光ではなく、通常は赤または黄色の暖色系の光を発することが多いとされています。サイズは一般に10センチから30センチほどであるものの、場合によっては1メートル以上の大きさになることもあります。球電は、移動する際に金属を引き寄せたり、送電線を焼き尽くすなど、特異な特性を示すことでも知られています。

目撃例

球電の目撃は古くから記録されており、いくつかの代表的な事例があります。1271年の日蓮は、処刑直前に空から月のような光体が現れ、これを恐れた衛士たちが処刑を中止したという伝説があります。また、1753年にはドイツの物理学者リヒマンが雷の実験中に球雷に直撃され死亡したことが知られています。近代では、ニコラ・テスラが1904年に球電について言及したことや、2004年の福岡県の事例では、雷雨中に青色の球体が観測されたことも記録されています。

最新の研究

2006年、テルアビブ大学の研究チームはマイクロ波を用いて球電の生成装置を開発し、さらに2014年に中国の西北師範大学の科学者らが自然に発生した球電の光スペクトルを記録しました。この観測では、900メートル離れた地点で通常の雷が落ちた後、球雷の形成が観察され、約1.3秒間のデジタル映像が確認されました。

一方で、この現象の発生メカニズムや作用原理については、未だ解明されていないことが多く、古典的な電磁気学や量子力学に基づく様々な仮説が提唱されています。また、一部の専門家は、球電は単なる視覚の錯覚であると主張する声も存在します。

その他の事例

2014年には中国の養豚場で、球電による感電で170頭の豚が死ぬという事件も発生しました。また同年の12月には、航空機に落雷が直撃する直前に客室内で球電が目撃された事例もあり、球電の存在が航空機やその他の場所でどのような影響を及ぼすのかについての懸念が高まっています。

結論

このように、球電は非常にユニークで未解明の現象であり、多くの研究者がその正体を明らかにしようと試みています。目撃例や研究は増えているものの、さまざまな理論や主張が混在しているため、一つの結論に至るには、さらなる研究が必要とされるでしょう。

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