琅琊寺

琅琊寺（ろうやじ）は、中華人民共和国安徽省滁州市琅琊区琅琊山に位置する仏教寺院です。その起源は唐代に遡り、千年の歴史を刻んできました。

歴史

琅琊寺は、唐代の大暦年間に滁州刺史であった李幼卿と法琛によって創建されました。創建当初は宝応寺と称されていました。

北宋時代の太平興国3年（978年）には、太宗皇帝より「開化禅寺」という勅額を賜りました。これにより、寺院の格式は高まり、信仰の中心としての地位を確立しました。

しかし、元代末年には兵火により焼失し、一時衰退の時期を迎えます。その後、明代の洪武6年（1373年）に僧侶の紹寧と無為によって再建され、復興への道を歩み始めました。

清代に入ると、嘉慶年間には皓清法師が寺院を大規模に修復し、「開化律寺」と改称されました。しかし、咸豊年間には太平天国の乱による火災で再び全焼するという壊滅的な被害を受けました。

光緒30年（1904年）には、達修法師が伽藍を整備し、荒廃していた寺院を再興しました。この時、正式に「琅琊寺」と改名され、現在に至ります。

1981年9月8日、安徽省人民政府は琅琊寺を安徽省文物保護単位に認定し、その文化的価値を保護する対象としました。さらに1983年には、中華人民共和国国務院が琅琊寺を漢族地区仏教全国重点寺院に認定し、国家レベルでの保護と管理が行われるようになりました。

伽藍

琅琊寺の伽藍は、以下の主要な建築物で構成されています。

山門: 寺院の入口に建ち、参拝者を迎えます。
天王殿: 四天王像が安置され、寺院の守護を担っています。
鐘楼: 時を告げる鐘が設置されています。
鼓楼: 法要などの際に太鼓が打ち鳴らされます。
大雄宝殿: 本尊が安置され、寺院の中心となる建物です。
無極殿: 詳細は不明です。
* 蔵経閣: 経典が収蔵されています。

これらの建築物は、それぞれの時代における建築様式や装飾が施されており、寺院の歴史と文化を物語っています。

周辺の建築物

琅琊寺の周辺には、醉翁亭などの歴史的な建築物があります。これらの建築物は、琅琊山の自然景観と調和し、独特の景観を形成しています。

琅琊寺は、その長い歴史の中で幾度もの困難を乗り越え、再建されてきました。その歴史と伽藍は、中国仏教の歴史と文化を今に伝える貴重な遺産であり、多くの人々に信仰と心の安らぎを与え続けています。

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