理容遺産

理容遺産は、全国理容生活衛生同業組合連合会が、理容文化の保存と継承を目的に認定するものです。歴史的に価値のある理容関連の有形文化財が選ばれています。

以下に、認定された遺産を紹介します。

第1次認定（2012年）

理容館アラタ: 島根県石見銀山遺跡内に位置し、大正末期の理容文化を伝える貴重な建物です。当時の理容店の様子を垣間見ることができます。
藤原采女亮の石碑: 長野県善光寺境内に建立されています。藤原采女亮は「理髪業の祖」とされており、理容業界関係者から崇敬を集めています。
本郷喜之床: かつて東京本郷に存在した理髪店です。石川啄木が家族と共に二階を間借りしていたことがあり、文化的な価値も高く評価されています。現在は愛知県の博物館明治村に移築され、保存されています。
旧山本理髪店: 大正時代の洋風建築が特徴的な理髪店です。北海道開拓の村に移築され、当時の理容店の雰囲気を伝えています。

第2次認定（2016年）

南極観測船「ふじ」理髪室: 実際に南極観測に使用された船内に設置されていた理髪室です。極地という特殊な環境下における理容の歴史を物語る貴重な存在です。
市村理髪館: 栃木県栃木市の岡田記念館敷地内にあった、栃木県最古の理髪店です。地域の理容文化を支えてきた歴史的建造物として認定されました。
* 御髪神社: 京都市右京区に鎮座する神社です。髪の神様として知られ、理容業界関係者からも信仰を集めています。

なお、報道では理容ミュージアム所蔵の昭和天皇の理髪道具一式も認定される予定とされていましたが、2020年10月現在、全国理容生活衛生同業組合連合会の理容遺産のページには記載されていません。

これらの理容遺産は、日本の理容文化の歴史を伝える貴重な財産です。保存活動を通じて、次世代へとその価値を継承していくことが期待されています。

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