理研計器

理研計器株式会社

理研計器株式会社（りけんけいき、英: RIKEN KEIKI Co., Ltd.）は、日本の主要な計測機器メーカーの一つであり、特にガス検知・警報機器の分野で広く知られています。東京都板橋区に本社を構え、産業界における安全確保や環境保全に不可欠な様々な製品を提供しています。かつての理研コンツェルンを構成した企業グループの一員としての歴史を持ちます。

沿革

同社の歩みは、1934年（昭和9年）7月に「沢藤電気工業株式会社」として創業したことから始まります。当初は家電製品などの製造販売を手掛けていましたが、その後、事業内容を変化させていきます。

1938年（昭和13年）5月には「富国機械株式会社」へと社名を改め、精密機械の製造に進出しました。同年11月には、財団法人理化学研究所の辻研究室が開発・発明した製品に関する特許実施権を取得し、ガス検定器などの製造事業を開始します。これが、現在の主力事業であるガス検知・警報機器の分野への参入の契機となりました。

翌年の1939年（昭和14年）3月には、現在の商号である「理研計器株式会社」に社名を変更しました。戦後を経て事業を拡大し、1952年（昭和27年）11月には理研精機光学株式会社と合併しました。

1961年（昭和36年）10月には東京証券取引所市場第2部に株式を上場し、企業としての信頼性と資金調達力を高めました。1970年（昭和45年）1月には奈良工場（現在の理研計器奈良製作所）が稼働を開始し、生産能力を拡充。1995年（平成7年）9月には東証第1部市場への指定替えを果たしました。

生産体制のさらなる強化として、1996年（平成8年）1月には桶川工場が操業を開始。品質管理体制については、1996年（平成8年）10月にISO 9001の認証を取得し、製品品質の国際規格への適合を証明しました。さらに、環境マネジメントシステムの国際規格であるISO 14001についても、1997年（平成9年）12月に認証を取得しています。

事業内容と主な製品

理研計器株式会社の主要な事業は、ガス警報器やその他の計測機器の製造および販売です。特にガス検知分野においては豊富な製品ラインナップを持ち、様々な産業分野における安全管理に貢献しています。

主な製品カテゴリには、以下のようなものが挙げられます。

定置型ガス検知警報器: 工場や事業所などに常設され、特定の場所のガス濃度を継続的に監視し、危険な状態を検知すると警報を発する機器です。可燃性ガス用や毒性ガス用などがあります。
携帯用ガス検知警報器: 作業員などが身につけ、移動中の環境や作業場所のガス濃度をリアルタイムで測定する機器です。単一のガスを測定するものから、複数のガス種を同時に測定できる複合ガス検知警報器まで多様な製品があります。
* 携帯用ガス測定器: 濃度測定に特化した機器で、サンプリングや分析を目的として使用されます。

これらの製品は、石油化学プラント、製鉄所、トンネル工事現場、地下工事、船舶内、研究施設など、幅広い場所で使用されており、作業者の安全確保や設備・施設の保護に役立っています。

事業所

本社を東京都板橋区に置くほか、全国各地に営業拠点や生産拠点を設けています。主な事業所には、全国をカバーする多数の営業所や出張所、そして主要な生産拠点である奈良製作所、桶川工場、函館工場などがあります。これらの拠点が連携し、顧客への迅速なサービス提供や安定した製品供給を支えています。

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