琉球真珠

琉球真珠株式会社：沖縄の海が育む真珠の輝き

琉球真珠株式会社は、沖縄県石垣市川平に本社を置く、黒蝶真珠と白蝶真珠の養殖、加工、販売を行う企業です。八重山列島の豊かな自然環境を活かし、高品質な真珠の生産に長年取り組んできました。

創業から発展までの道のり

1951年、アメリカ統治下の沖縄で「球陽真珠海綿養殖株式会社」として創業。当時の沖縄経済活性化に大きく貢献しました。しかし、黒蝶真珠の養殖は容易ではありませんでした。創業当初は技術的な課題や、質の悪い真珠の収穫に苦戦。本土からの技術者も撤退するなど、存続の危機に何度も直面しました。

それでも、琉球真珠は諦めませんでした。1962年、社名を「琉球真珠株式会社」に変更し、再出発。独自の技術開発に力を注ぎました。そして、1968年、クロチョウガイの挿核手術における画期的な技術開発に成功。体液を減少させることで、手術の成功率を高め、良質な真珠の生産を可能にしました。

この技術革新によって、1970年には黒蝶真珠の量産に世界で初めて成功。その品質の高さと美しさは世界的に認められ、ミキモト真珠島を通じて世界中に販売されました。1975年には、エリザベス2世に川平湾産の黒蝶真珠が贈呈されたという逸話も残っています。

その後も、琉球真珠は技術革新を続けました。県水産試験場との共同研究によるクロチョウガイの人工採苗成功（1971年）、シロチョウガイの人工採苗成功（1984年）など、養殖技術の向上に大きく貢献。現在では、石垣島と西表島に複数の養殖場を展開し、安定的に高品質な真珠を生産しています。

多様な事業展開

琉球真珠は、養殖だけでなく、加工、販売にも力を注いでいます。石垣島、空港、浦添パルコシティなどに店舗を展開し、消費者に直接、自社製品を提供しています。また、販売専門の子会社も設立するなど、事業の多角化にも取り組んでいます。

企業理念と未来

琉球真珠は、創業以来培ってきた技術と経験、そして沖縄の豊かな自然環境を活かし、高品質な真珠の生産と販売を通じて、地域社会の発展に貢献してきました。これからも、技術革新と顧客満足度向上に努め、世界に誇る沖縄の真珠を生産し続けていくことでしょう。

年表

1951年：球陽真珠海綿養殖株式会社として創立
1962年：琉球真珠株式会社に社名変更
1963年：川平養殖場で初の真円黒真珠採取に成功
1970年：世界で初めて黒蝶真珠の量産に成功
1971年：クロチョウガイの人工採苗に成功
1974年：西表島船浮湾に養殖場を開設
1975年：琉球黒真珠センター（現川平本店）落成
1979年：石垣店開店
1984年：シロチョウガイの人工採苗に成功
1987年：西表島外離に養殖場を開設
1991年：白蝶真珠の試験養殖浜揚げに成功
1992年：西表島船浮養殖場に人工採苗棟が完成
2004年：販売専門子会社「ペルージェ川平株式会社」設立
2013年：石垣空港店開店

琉球真珠株式会社は、沖縄の美しい自然と高度な技術によって生み出される、世界に認められた真珠のブランドです。その輝きは、未来へと続く沖縄の宝と言えるでしょう。

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