琥珀色の雨にぬれて

『琥珀色の雨にぬれて』

『琥珀色の雨にぬれて』は、宝塚歌劇団の人気ミュージカルで、柴田侑宏が作・演出を手掛け、1984年に初演されました。この作品は、1920年代の自由な風潮に包まれたフランスを舞台に、青年貴族クロードと神秘的な女性シャロン、清純な令嬢フランソワーズとの間で繰り広げられる複雑な恋愛模様を描いています。

作成の背景

柴田侑宏はこの作品で、男性ひとりと二人の女性が絡む典型的な恋愛の三角関係を描く意図があったとされています。また、彼はロシアの文豪ドストエフスキーの『白痴』に着想を得て、宝塚ならではのロマンティックな物語として創作したことを明かしています。初演後には好評を博し、再演が続き、全国ツアーも含めて多くの公演が行われています。

あらすじ

物語は1922年、第一次世界大戦を経て帰還した青年貴族クロードが、フォンテンブローの森で神秘的な女性シャロンと出会うところから始まります。クロードは一瞬でシャロンの魅力に捕らわれますが、彼女の背景を知るルイは彼女との距離を保つよう忠告します。それでも、クロードはシャロンとの心のつながりを信じ続けます。

彼の家にいる婚約者フランソワーズは、クロードの様子が変わっていくのを感じ、不安を覚えます。一方、クロードはシャロンを助けたことで彼女に好意を示され、3人の間には複雑な感情が交差します。フランソワーズは、シャロンに対して自身の立場を明かし、感情をぶつけます。

その後、クロードはシャロンの行き先を追って、ニースへ出発する決意を固め、ルイと共に豪華列車に乗り込みます。旅の途中、琥珀色の雨が降るマジョレ湖に行く約束をし、二人の仲は深まります。しかし、ニースで待っていたフランソワーズが現れ、シャロンに自身の立場を明かし、状況はますます複雑になっていきます。

最終的にクロードはフランソワーズと結婚し、航空会社のビジネスも順調に進む中、数年後に再びシャロンと再会することになります。この再会は、彼の生活に新たな波乱をもたらすことになるでしょう。

登場人物

• - クロード・ドゥ・ベルナール公爵: 主人公であり、純粋な恋愛観を持つ青年貴族。
• - シャロン・カザティ: 神秘的で魅力的な女性。クロードを引きつける存在。
• - フランソワーズ: クロードの婚約者であり、彼を深く愛している。
• - ルイ・バランタン: シャロンの取り巻きであり、彼女の素性を知る人物。
• - ミッシェル・ドゥ・プレール伯爵: クロードの友人。

楽曲

本作では数々の楽曲も特色の一つとされ、「琥珀色の雨にぬれて」や「青列車でニースへ」などの魅力的なナンバーが観客を引きつけます。音楽は、柴田侑宏が作詞を手掛け、寺田瀧雄や高橋城らが作曲を担当しています。

公演の歴史

初演後も何度かの再演が行われており、2024年には全国ツアーが予定されています。特に1990年代以降は大きな反響を呼び、宝塚歌劇団の重要なレパートリーの一つとして定着しています。

本作は、ドラマティックなストーリーと音楽、華麗な舞台装置が融合し、観客に素晴らしい体験を提供する魅力的なミュージカルであり、今後も多くの人々に愛され続けることでしょう。

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