琵琶湖バラバラ殺人事件

琵琶湖バラバラ殺人事件

2008年5月、滋賀県近江八幡市の琵琶湖で発覚した殺人・死体損壊事件。発見された遺体はバラバラにされており、長らく身元が不明であった。事件発生から10年後の2018年、被害者の身元が特定され、さらに17年後の2025年、別の殺人事件で服役中の男が逮捕された。

事件の概要

2008年5月17日、琵琶湖の湖岸で遺体の一部が発見されたのが事件の発端。その後、同一人物のものと思われる遺体の他の部位が相次いで発見された。当初、被害者の身元は不明であり、滋賀県警は捜査を進めるために、2009年に警察庁の捜査特別報奨金制度の対象事件に指定（2012年に解除、2014年に再指定）。

2018年11月30日、滋賀県警察は被害者の身元を野洲市の当時39歳の男性Bであると発表した。男性Bは、別の死体遺棄事件で検挙された男と草津市の建設現場で知り合い、事件前には草津市内の建設会社の寮で生活を共にしていた。

遺体発見の経緯

2008年5月17日早朝、琵琶湖の湖岸緑地である岡山園地で釣りをしていた男性が、漂流している人間の左足を発見し、滋賀県警に通報。同日、捜査員が湖で足の一部を発見。5月20日には東近江市の湖岸で頭部が、5月21日には大津市の藤ノ木川河口で左足首が発見された。さらに6月22日と23日には、草津市の湖岸で両手首が発見されている。

鑑定の結果、すべての遺体のDNAが一致。死因は首を絞められたことによる窒息死と判明したため、県警は殺人・死体遺棄事件として捜査を開始した。被害者の身元特定のため、復顔法による似顔絵も公開されたが、事件発生から10年間、身元は判明しなかった。

身元の特定

2018年11月30日、滋賀県警は被害者を野洲市の男性B（当時39歳）と特定したと発表。DNA鑑定や親族への聞き取りの結果、身体や顔の特徴が遺体と一致した。県警が運転免許の非更新者から所在不明者を探したところ、男性Bの存在が浮上した。

被疑者の逮捕

2025年2月27日、滋賀県警は別の殺人事件で実刑判決が確定し服役中の男A（74）を、男性B殺害の疑いで逮捕した。逮捕当時、容疑者Aは栗東市に住んでいた。容疑者Aは岡山刑務所から移送され、滋賀県警近江八幡署に到着。

容疑者Aは、2018年に知人男性を殺害し、切断した遺体を草津市内の排水路に遺棄したとして、懲役25年の判決を受け、岡山刑務所に服役していた。死体遺棄容疑については公訴時効が成立している。

容疑者Aと被害者男性Bは建設会社の元同僚であり、過去に同居していた。被害者男性Bの遺族は警察を通じて、「事件発生時は身元不明事件として知りましたが、10年後に身元が判明して自分のお父さんだと分かり、捜査が進展したりしなかったりし、悲しかったし、辛い日を過ごしてきました。犯人逮捕の連絡を聞いて本当に嬉しいです」とコメントを発表した。

虚偽通報事件

2008年7月には、大阪府泉佐野市の41歳無職の女が、交際男性に腹を立て、交際男性を本事件の被疑者に仕立て上げる虚偽の通報を行う事件が発生。女は軽犯罪法違反（虚偽申告）の疑いで書類送検された。

関連項目

バラバラ殺人
捜査特別報奨金制度

外部リンク

* 琵琶湖バラバラ殺人事件 - ウェイバックマシン（2009年10月10日アーカイブ分）

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