琵琶湖西岸断層帯

琵琶湖西岸断層帯とは

琵琶湖西岸断層帯は、琵琶湖の西岸に沿ってほぼ南北に延びる、全長約59kmの活断層帯です。この断層帯は、西側が東側に対して相対的に高くなる逆断層であり、西側には比良山地、東側には近江盆地や琵琶湖が形成されています。複数の断層が断続的に連なっており、活動時期の違いから北部と南部に区分されますが、これらの断層が連動して活動する可能性も指摘されています。

断層帯の構造

琵琶湖西岸断層帯は、知内断層、饗庭野断層、上寺断層、勝野断層、比良断層、堅田断層、比叡断層、膳所断層、西岸湖底断層など、複数の断層で構成されています。一般的には一つの起震断層と考えられていますが、饗庭野断層帯と琵琶湖西岸断層帯の二つの起震断層に区分する説もあります。これらの断層は、東西方向の圧縮力によって琵琶湖ブロックが比良・丹波ブロックの下に潜り込む形で形成された西側隆起の逆断層であり、横ずれ成分は認められていません。断層の上端は地表に達しており、北部では断層崖や湖底に湖盆を形成しています。

断層帯の区分

北部

高島市を縦断する断層帯で、知内断層、饗庭野断層、上寺断層、勝野断層などが主な断層です。北端は北緯35度29分、東経136度02分、南端は北緯35度17分、東経136度01分に位置し、全長は約23kmです。西に傾斜しており、地震発生層の下限は約15kmと推定されています。平均的なずれ速度は1000年あたり約1.8-2.1mで、平均活動間隔は1000-2800年とされています。最新の活動は、約2800年前から約2400年前の間と推定されています。

南部

高島市南方から大津市国分付近を縦断する断層帯で、西岸湖底断層、比良断層、堅田断層、比叡断層、膳所断層などが主な断層です。北端は北緯35度17分、東経136度03分、南端は北緯34度58分、東経135度54分に位置し、全長は約38kmです。西に傾斜しており、地下約3kmまでは40度、地下約3-5kmまでは35度で、5km以深は不明です。地震発生層の下限は約15-20kmと推定されています。平均的なずれ速度は1000年あたり約1.4mで、平均活動間隔は4500-6000年とされています。最新の活動は11世紀以後、12世紀以前と推定されており、1185年の文治地震の震源となった可能性も指摘されています。

地震のリスク

2009年に発表された長期評価によると、北部で100年以内の地震発生確率は4-10%（信頼度は低い）、地震の規模はマグニチュード7.1程度と推定されています。南部では100年以内の地震発生確率はほぼ0%（信頼度はやや低い）、地震の規模はマグニチュード7.5程度、南北が連動した場合の地震の規模はマグニチュード7.8程度と推計されています。また、琵琶湖西岸断層帯の西側には三方・花折[[断層帯]]がほぼ並行して位置しており、これらの断層帯が連動する可能性も指摘されています。

歴史時代の活動

地質学的調査による最新活動の他に、歴史資料から琵琶湖西岸断層帯が活動した可能性が指摘されています。例えば、7世紀中葉以降の活動や1819年の文政近江地震が饗庭野断層の活動であった可能性、1662年の寛文近江・若狭地震で饗庭野断層や堅田断層が活動した可能性などが挙げられています。

その他の情報

断層帯の詳しい構造や活動履歴については、今後の調査研究が待たれます。

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