比良山地

比良山地

比良山地は、滋賀県の琵琶湖西岸に南北に連なる山地です。最高峰は武奈ヶ岳（1,214.4m）で、山地全体が琵琶湖国定公園に指定されています。古くから近江八景の一つ「比良の暮雪」として知られる景勝地であり、京阪神からの交通アクセスも良好なため、登山やスキーなどのレクリエーションを楽しむ人々が多く訪れます。

地理

比良山地は、東を琵琶湖、南を和邇川、西と北を安曇川によって、丹波高地から区切られています。南北約20km、東西約15kmの範囲に広がり、北北東から南南西方向に走る2本の稜線が特徴的です。南は比叡山へ、北は野坂山地へと続いています。

一般的に、西側の安曇川側を「奥比良」、東側の琵琶湖側稜線のうち、釈迦岳から堂満岳の一帯を「北比良」、それより南の蓬莱山・権現山一帯を「南比良」、釈迦岳以北の岩阿沙利山・岳山が連なる標高500～700mの尾根を「リトル比良」と呼ぶことが多いです。

地質的には、東側に比良断層、西側に花折断層が走っており、これらの断層活動によって形成された地塁山地です。そのため、変化に富んだ地形が見られ、八ツ淵の滝、楊梅滝、神爾滝などの滝や、八雲ヶ原、小女郎池、ノタノホリなどの湿原、池塘が点在しています。

気候

気候は日本海側気候の影響を強く受け、冬季には多量の積雪があります。比良山地から琵琶湖岸に吹き降ろす強風は「比良おろし」と呼ばれ、特に春先に吹く強風は「比良八荒」として知られています。これらの強風は、時に交通や農業、漁業に被害をもたらすこともあります。

積雪と強風の影響を強く受ける武奈ヶ岳付近の稜線は、樹木がほとんど生育しないため、近畿地方でも屈指の眺望が得られる場所として知られ、人気の登山ルートとなっています。また、南比良の打見山頂付近には、びわ湖バレイというスキー場があります。かつて、京阪グループが運営していた北比良の比良リフト、比良ロープウェイ、比良山スキー場は、2004年に廃止されています。

主な山

奥比良
武奈ヶ岳（ぶながたけ、1,214.4 m）
釣瓶岳（つるべだけ、1,098 m）
蛇谷ヶ峰（じゃたにがみね、901.7 m）

北比良
釈迦岳（しゃかだけ、1,060.3 m）
堂満岳（どうまんだけ、1,057 m）

南比良
蓬萊山（ほうらいさん、1,174.2 m）
打見山（うちみやま、1,108 m）
白滝山（しらたきやま、1,022 m）

リトル比良
岩阿沙利山（いわじゃりやま、686.4 m）
岳山（だけやま、565 m）

ギャラリー

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脚注

[参考文献]
『日本の山1000』山と溪谷社〈山溪カラー名鑑〉、1992年8月。ISBN 4635090256。
徳久球雄（編集） 編『コンサイス日本山名辞典』（修訂版）三省堂、1992年10月。ISBN 4-385-15403-1。
佐々木信夫 編『比良の父・角倉太郎：比良登山 今昔ものがたり』ナカニシヤ出版、1998年2月。ISBN 4-88848-344-2。

[関連項目]
滋賀県大津市、高島市
日本二百名山（武奈ヶ岳）
日本の滝百選（八ツ淵の滝）
* 近江八景（比良暮雪）

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