瑞峯院

瑞峯院について

瑞峯院（ずいほういん）は、京都市北区紫野大徳寺町に位置する臨済宗大徳寺派の寺院です。この寺は大本山である大徳寺の塔頭として知られ、山号は龍寶山です。瑞峯院の本尊は観音菩薩であり、境内には歴史的な意義を持つ大友義鎮夫妻の墓も存在します。

歴史

瑞峯院は天文4年（1535年）に、大友義鎮というキリシタン大名によって創建されました。彼は開山に大満国師・徹岫宗九を迎え、菩提寺としてこの寺を設立しました。創建年に関してはさまざまな説があり、天文2年（1533年）、同12年（1543年）、同15年（1546年）などが挙げられますが、広く評価されているのは1535年です。寺号の「瑞峯院」は、大友義鎮の法名から取られています。

境内の見どころ

瑞峯院には多くの重要文化財が存在します。

• - 方丈: 室町時代の建築として貴重な存在であり、1535年に義鎮によって建立されました。内部には野添平米による近年の襖絵で、韓国の金剛山を描いた「朝鮮金剛山図」があります。また、勅額「瑞峯院」は後奈良天皇の筆です。

• - 独坐庭（どくざてい）: この庭は1961年に重森三玲によって作庭された枯山水の庭です。「独坐大雄峰」という禅語から名付けられ、方丈の正面に位置しており、蓬莱山を模した美しい造形が特徴です。

• - 唐門（重要文化財）: こちらも1535年に建立され、立派な門構えが印象的です。

• - 餘慶庵: 表千家第8代目啐啄斎の好みの席を再現した茶室で、1929年に寄進されました。

• - 茶庭: 方丈と餘慶庵の間に広がる露地で、過去には青石が敷き詰められていましたが、現在は松や苔の植栽を用いた一般的な茶庭となっています。

• - 閑眠庭（かんみんてい）: 同様に1961年に作庭され、この庭には十字架を模した石組みがあります。クリスチャンの宗教的背景が反映されています。

• - 安勝軒、および平成待庵: 茶室も複数あり、それぞれに独自の魅力があります。

大友義鎮夫妻の墓

境内には、義鎮の正室である奈多夫人の墓もあり、歴史を感じさせる場所となっています。

文化財と観覧情報

重要文化財として、方丈や唐門、表門があります。観覧は大人400円、小・中学生は300円で、抹茶を楽しむこともできます。営業時間は9:00から17:00まで、定休日は設けられていませんが、車椅子での見学は不可です。

アクセス

JR京都駅からは市営バスで約30分、「大徳寺前」で下車。地下鉄烏丸線北大路駅からもバスでアクセス可能です。

瑞峯院は、歴史的な背景と美しい庭園が調和した、心安らぐ空間を提供する素晴らしい寺院です。

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