瑞泉寺 (京都市)

瑞泉寺の紹介

瑞泉寺（ずいせんじ）は、京都市中京区に位置する浄土宗西山禅林寺派の寺院であり、山号は慈舟山です。この寺院は豊臣秀次の墓を有し、彼とその一族の菩提を長年にわたり供養してきた歴史深い場所です。寺の本尊は阿弥陀如来で、秀次にまつわる数々の歴史的な出来事が、この地に刻まれています。

歴史的背景

瑞泉寺の歴史は安土桃山時代に遡ります。当時、三条大橋の近くにあったこの場所は鴨川の中洲であり、文禄4年（1595年）8月2日、豊臣秀次の正室と側室、若君、姫君、侍女、乳母など39名が豊臣秀吉の命によって命を奪われました。秀次は謀反の疑いによって自害を強いられ、彼の首は三条河原で晒され、その後、彼と一族の遺体は埋葬されました。この塚は初め「秀次悪逆塚」と名付けられましたが、鴨川の洪水によって流されてしまいます。

瑞泉寺の創設

1611年、商人の角倉了以によって流された石櫃が発見され、秀次の供養の重要性が再認識されました。秀次に仕えていた医師の吉田宗恂が前年に他界したことも影響し、慶長16年には、了以と僧の立空桂叔が江戸幕府の許可を得て瑞泉寺を設立しました。寺名は秀次に贈られた戒名「瑞泉寺殿高巌一峰道意」から取られています。

以降、瑞泉寺では400年以上にわたり、秀次やその家族、家臣たちの冥福を祈り続けています。1683年には角倉家から寄進を受けて新本堂が建てられましたが、1788年には大火で焼失し、後に現在の本堂が再建されました。1941年には松下幸之助の財団によって秀次の墓や地蔵堂が整備され、49基の五輪塔も建立されています。

境内の見どころ

瑞泉寺の境内には、さまざまな施設と墓所があります。本堂は豊臣秀次一族の塚があった場所に建てられています。また、六角形の塔の下部には秀次の首が納められていた石櫃があります。さらに、秀次一族や家臣を供養するために並べられた49基の五輪塔や、地蔵堂には犠牲者たちの像が祀られています。このように、境内は歴史を物語る貴重な遺産が満載です。

供養の行事

毎年7月15日、秀次の命日に瑞龍寺で供養が行われます。この時、善正寺の住職や瑞龍寺の住職によって、秀次の供養が特に行われ、彼の悲劇的運命を偲ぶ機会となっています。

アクセス

瑞泉寺は、京阪三条駅や地下鉄三条京阪駅からのアクセスが便利です。またバスを利用する場合は河原町三条で下車できます。これらの交通手段を利用して、ぜひ瑞泉寺を訪れてみてはいかがでしょうか。歴史ある寺院で、豊臣秀次と彼の一族の物語を感じてみてください。

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