瑞龍寺 (静岡市)

瑞龍寺について

瑞龍寺（ずいりゅうじ）は、静岡県静岡市の葵区井宮町に位置する曹洞宗の寺院であり、泰雲山と名付けられた山の麓にあり、自然と調和した美しい環境を有しています。

歴史

この寺院は1560年（永禄3年）、能屋梵藝によって創建され、その後、当時の重要人物である徳川家康により寺領が与えられました。家康は自身の居城を駿府城に定めた際、瑞龍寺に対する支援を行いました。特に、朝日姫（旭姫）に深い関わりがあり、彼女は豊臣秀吉の妹として知られています。

朝日姫は何度もこの寺を訪れており、彼女の墓所も同寺内にあります。彼女は家康に嫁いだ後、駿府に移住し、「駿河御前」として生涯を送りましたが、晩年は病気に倒れ、早逝しました。彼女は京都府の東福寺に初めて埋葬されたものの、遺骨の一部は瑞龍寺に分骨され、そこに葬られました。この墓の建立に関しては、秀吉または家康のどちらが行ったのか不明であり、その説は現在も議論の的となっています。

興味深いことに、朝日姫に関連する資料は2023年（令和5年）度にまとめて「瑞龍寺関係資料一括」として静岡市の指定文化財に認定されました。これにより、寺が持つ歴史的な価値が再認識されています。

文化財

瑞龍寺にはさまざまな文化財が存在しており、静岡市指定有形文化財に認定されています。この中には次のようなものがあります：

• - 桐紋蒔絵膳：美しい蒔絵が施された膳。
• - 桐沢瀉紋立湧模様打敷：細やかな模様が特徴の打敷。
• - 釈迦三尊 十六羅漢絵像（三幅一対）：家康が朝日姫に奉納したもので、瑞龍寺の由緒書にも記載されています。
• - 豊臣秀吉朱印状：朝日姫の廟所であることから、秀吉が竹木の伐採を禁止した公式な文書です。
• - 覚（瑞龍寺由緒書）：瑞龍寺の歴史や重要な出来事が記された文書です。

これらの文化財は瑞龍寺の歴史を物語り、訪れる人々にその魅力を伝えています。

交通アクセス

新静岡駅からは徒歩で約25分の距離に位置しており、日常の喧騒から離れて、静寂の中で心を落ち着かせる場所として多くの人々に親しまれています。

瑞龍寺はその歴史的価値と文化財を通じて、古き良き日本の精神に触れることができる重要なスポットです。歴史に興味がある方や、静岡を訪れる旅行者にとって、ぜひ訪れるべき場所と言えるでしょう。

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