井宮町

井宮町について

井宮町（いのみやちょう）は、静岡県静岡市葵区にある地域で、郵便番号は420-0001です。この町名は、かつて駿河国安倍郡安西井宮村が存在した場所にあたります。住居表示はまだ実施されていません。

地理的特徴

静岡市の中心市街の北側、賤機山の西麓に位置する井宮町は、自然環境に恵まれた地域です。かつては安倍川の氾濫原に含まれており、現在の瑞龍寺周辺には大量の蛇籠が設置されていました。これが「籠鼻（かごはな）」と呼ばれるもので、江戸時代初期に徳川家康による河川改修で、安倍川の流れが変更された結果、現在の村が開発されることとなりました。

江戸時代の安西井宮村では特産物としてウリが栽培されており、毎年5月と6月には江戸城に向けてシロウリと熟瓜が納められるほどの名産地でした。

歴史的背景

1888年（明治21年）に町村制が施行され、安西井宮村もその制度のもとに編成されました。1889年（明治22年）には周辺の8つの村と共に南賤機村が形成されました。その後、一部の地域が静岡市に編入、残りは北賤機村と合併し、賤機村となりました。1924年（大正13年）には旧安西井宮村の地域が静岡市井宮町に改称されています。井宮町の名は、その地にある井宮神社から由来しています。

名所・旧跡

井宮町は数多くの名所や旧跡が残る地域です。特に以下の場所が有名です：

• - 井宮神社：村社として地域に親しまれ、多くの人々が訪れます。
• - 瑞龍寺：豊臣秀吉の妹であり、徳川家康の妻でもある朝日姫の墓所がここにあります。
• - 大応国師産湯の井：南浦紹明の出生地であり、歴史的意義があります。
• - 松樹院：松平忠明の墓所がある場所でもあります。
• - 薩摩土手：徳川家康が安倍川の氾濫から駿府を守るために築いた堤防で、井宮町の北側の境界を成しています。この土手は2017年に土木学会から選奨土木遺産として認定されました。
• - 安倍鉄道井ノ宮駅：大正から昭和初期まで運行されていた鉄道の始発駅で、地域の歴史を刻む重要な場所でした。

教育機関

井宮町にお住まいの方は、市立の小・中学校へ通うことができます。具体的な学区については、地域の教育委員会からの情報を元に確認することが推奨されます。

結論

井宮町は静岡県静岡市の中でも特に風情ある歴史的な地域であり、多くの文化遺産や自然美が共存しています。訪れることで、静岡の歴史や文化を深く知ることができるでしょう。地域の特徴や背景を学ぶことは、訪問者にとって新たな発見の機会となることでしょう。

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