環境部 (中華民国)

中華民国環境部について

中華民国（台湾）の環境部（Ministry of Environment）は、環境に関する業務を総合的に担当する行政機関です。日本の環境省に相当し、環境政策の策定や実施、環境保護活動の推進などを担っています。

環境部の沿革

環境部の歴史は、1947年に台湾省政府が設立された際に、衛生局を拡充して設置された「衛生処」に遡ります。この衛生処では、公害対策や環境改善指導が初期の業務でした。

1955年には、衛生処の下に「台湾省環境衛生実験所」が設立され、上下水道、ゴミ問題、水質管理、大気汚染、放射能汚染、騒音問題など、環境に関する調査・研究・監督を専門的に行うようになりました。同時期、産業界では経済部工業局が1970年に設立され、工業排水や排気問題を担当する部署が設けられました。

1971年3月には、行政院衛生署が成立し、その下に「環境衛生処」が置かれました。初代処長には許整備、荘進源が任じられ、公共施設や食品加工工場の衛生指導、廃棄物処理の指導・監督、殺虫剤や公害問題の研究・指導などを行いました。また、同時期に経済部でも「水資源統一規画委員会」が設置され、水質汚染の防止と対策を担当するようになりました。

1979年4月、環境問題への関心が高まる中、行政院は「台湾地区環境保護方案」を策定し、環境保護を行政が組織的に行う方針を決定しました。これを受け、1982年1月には「行政院衛生署環境衛生処」が「環境保護局」に昇格し、荘進源が初代局長に任命されました。これにより、環境衛生処が担当していた大気汚染や環境衛生行政に加え、経済部が担当していた水質汚染問題、警政署が担当していた交通騒音問題も環境保護局の管轄となりました。同時に、環境アセスメント、廃棄物、毒性物質の管理業務も担当することとなりました。

1987年8月22日、「環境保護局」は「環境保護署」と改称され、2023年8月22日には「環境部」へと昇格し、現在に至っています。

環境部の組織

環境部は、以下の組織で構成されています。

環境部長: 環境部の長であり、環境政策を統括します。
環境部次長: 政務次長2名と常務次長1名で構成され、環境部長を補佐します。
主任秘書: 部内の事務を統括します。

内部部局

総合計画司: 環境政策の企画、立案、調整を行います。
環境保護司: 環境保護に関する政策や施策を推進します。
大気環境司: 大気汚染対策や大気環境の保全を担当します。
水質保護司: 水質汚染対策や水資源の保全を担当します。
監測情報司: 環境モニタリングや情報収集を行います。
秘書処: 部内の総務、人事、広報を担当します。
人事処: 人事に関する業務を担当します。
会計処: 会計に関する業務を担当します。
統計処: 統計に関する業務を担当します。
法制処: 法令に関する業務を担当します。
政風処: 倫理・不正防止に関する業務を担当します。

所属機関（外局）

環境部には、専門的な業務を行うための所属機関（外局）が設置されています。

歴代の長

環境部及び前身の環境保護署の歴代長官が一覧として記録されています。

関連項目

中華民国の政治

外部リンク

環境部

環境部は、台湾の環境保護において中心的な役割を果たしており、環境問題の解決に向けた様々な政策を推進しています。その組織の変遷から、環境問題への取り組みの歴史を垣間見ることができます。

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