環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定

環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定（CPTPP）とは

環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定、通称CPTPPは、オーストラリア、ブルネイ、カナダ、チリ、日本、マレーシア、メキシコ、ニュージーランド、ペルー、シンガポール、ベトナムの11カ国による多国間貿易協定です。この協定はTPP（環太平洋パートナーシップ協定）から派生したものですが、アメリカの離脱後に発効しました。

CPTPPの設立と発展

CPTPPは2018年末に発効し、以降新たな国々が加入する動きが続いています。特に2023年7月にはイギリスの加入が正式に承認され、これによりCPTPPは12カ国体制となりました。この結果、CPTPP加盟国の国内総生産（GDP）は、世界全体の約15％を占める巨大経済圏を形成しました。

参加国とその影響

CPTPPが発効した際の11カ国のGDPは、世界の約13.4％に相当し、北米自由貿易協定や欧州連合の市場に次ぐ規模でした。TPPはアメリカ合衆国が署名しましたが、トランプ政権下で離脱となり、その影響を受けてCPTPPが成立しました。この新たな協定は、アメリカが要求した22の規定を一時停止することにより、アメリカの参加を必要としない形で構成されています。

CPTPPの具体的な内容

CPTPPは、著作権や投資についてのルールが明確に定められており、特に知的財産権に関する基準は厳しいものがあります。この協定では、国有企業に関する章も維持されており、市場への国家介入の問題を扱っています。また、投資章の適用停止により、資源採掘やインフラ建設に関する契約違反についての解決手続きを限定しています。

平行して進む協定の批准と拡大

CPTPPは初期参加国の各国で急速に批准が進行し、2021年にはペルー、2022年にはマレーシアとチリが批准を完了。日本も著作権法の改正を行い、CPTPPの発効時に著作権保護期間を延長しました。イギリスの加入が決まったことにより、CPTPPは更なる拡大を見せることになります。

2021年には中国、台湾、エクアドル、コスタリカ、ウルグアイ、ウクライナなどの国も加入申請を行っており、アジア太平洋地域の経済連携がますます強化されています。

今後の展望

CPTPPはグローバルな貿易の変化を受けて、参加国の利益を広げる重要な枠組みですが、今後も加入申請を行う国々が増加することが予想されます。特に、中国や台湾などの国の加盟動向は注目されています。また、これによりCPTPPの影響力がさらなる拡大を遂げる可能性があるため、国際的な貿易政策においても風向きの変化が期待されます。

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