甘柿しぶ柿つるし柿

『甘柿しぶ柿つるし柿』の概要

『甘柿しぶ柿つるし柿』は、1969年10月15日から1970年1月28日までTBS系列の『水曜劇場』枠で放送された全15話のテレビドラマです。この作品は、東京・九段下の割烹旅館『浪川旅館』を舞台に、女性たちの家族愛と日常のさまざまな出来事を描いています。

ストーリーの背景

物語は、母・波と四人の姉妹から成る浪川一家を中心に展開します。また、旅館に訪れることで洗練された生活を送る女性たちがどのように生き抜くかがテーマになっています。主人公の浪川キン子は35歳、旅館を受け継ぐために奮闘する未婚の三女です。彼女の周囲には、彼女に影響を与える様々な人物たちがいます。特に姉のミキ子は、離婚後二人の息子を連れて戻ってきたり、タマヨ（二女）は結婚後に家庭を持って浪川家に戻るなど、家族の状況は変化に富んでいます。

物語は、日常の出来事を通じて家族の絆や、友人、恋愛といった人間関係を描写していきます。個々のキャラクターも非常にユニークで、観客は彼女たちに共感を覚えながら物語に引き込まれます。

主なキャラクター

• - 浪川キン子（池内淳子） - 家族の中心的存在で、旅館を受け継ぐために奮闘しています。
• - 浪川波（北林谷栄） - 知恵と経験を持つ祖母で、姉妹たちを温かく見守っています。
• - 浪川ミキ子（山岡久乃） - 離婚歴のある長女で、子どもたちを育てながら新たな人生を切り開こうとしています。
• - タマヨ（黒柳徹子） - 二女で、経済的な理由から家族とともに浪川家に帰ってきます。
• - 浪川トメ子（中山千夏） - 短大生で、家族の中では冷静な存在です。
• - 山麓武弥（金子信雄） - 漢方薬商で、ミキ子とのお見合いに至る結婚話がストーリーのひとつの核となっています。

シリーズの特長と評価

本作は、モノクロ作品でありながらも、キャラクターの複雑な感情や人間関係が巧みに描かれています。また、山岡久乃の演技が特に評価され、作品は第7回ギャラクシー賞および第11回期間選奨の対象作品として名を馳せました。さらに、このドラマが『水曜劇場』の枠内で初めて放映された作品であることも、特筆すべき点です。

制作チーム

この作品のプロデューサーは宮武昭夫、脚本は水木洋子によって書かれました。演出には宮武昭夫、砂原幸雄、井下靖央といった実力派が携わり、音楽は山本直純が担当しています。作品は、TBSによって制作され、放送当時の視聴者に深い印象を残しました。

結び

『甘柿しぶ柿つるし柿』は、家族というテーマを通じて感動的な物語を作り上げた、今もなお色褪せない名作です。ドラマの中心には、日常に潜む愛と悲しみがあり、視聴者はそのメッセージに共感し続けています。

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