山岡久乃

山岡久乃

山岡久乃（やまおか ひさの）は、日本の著名な女優であり、1926年に東京で生まれ、1999年に逝去しました。彼女はそのキャリアの中で400本以上のテレビドラマに出演し、「お母さん女優」として多くの視聴者に愛されました。身長162cm、体重49kgの彼女は、腕前を見せる舞台や映像作品で幅広く活躍しました。

来歴・人物

役者デビュー

山岡は1942年に宝塚音楽舞踊学校に入学し、男役を目指していましたが、戦争による影響で1944年に中途退学。その後俳優座養成所で演技を再学習し、1946年に俳優座に入団しました。初舞台は同年の『文化議員』、映画デビューは1953年の『やっさもっさ』で、多くの映画に出演。この時期、彼女は劇団青年座を結成し、その中心的存在として舞台・映像両方で活動を展開しました。

1971年には同じ青年座メンバーの森塚敏と結婚しましたが、1971年に離婚し、その後は独身を通しました。

テレビの世界へ

1953年にNHKの『竜舌蘭の誓い』でテレビドラマ初出演し、その後は地道に脇役として多くの作品に出ましたが、1966年の『こころの山脈』が女優としての飛躍のきっかけとなりました。その後、1970年にはドラマ『ありがとう』で娘役の水前寺清子とのコンビが評判となり、視聴率50％を超えるヒット作となりました。この成功により、山岡は「お母さん女優」としての地位を確立しました。

彼女は1972年から1977年までTBSの火曜9時枠で連続して出演し、その中でも数度にわたり主演を務めるなど、ますます存在感を増していきました。

ドラマ降板騒動とその後

突然の降板

1998年の秋、山岡は長年巣立った『渡る世間は鬼ばかり』から降板することが報じられました。この降板は、脚本上、彼女のキャラクターが「海外旅行先で急死する」という形で語られ、視聴者の間では様々な臆測を呼びました。医師からの診断書に基づき、彼女の降板理由は当初不明として騒がれました。

実際の理由は、撮影中に健康状態が悪化し、病気に伴う体調不良と石井への信頼関係が揺らぎ始めたことにありました。円満な降板とはいかず、山岡は新たな生活を始めるための準備を進めていました。1988年には胆管癌が発見され、彼女はその病を公表しました。

知られざる最期

1999年の2月15日、山岡は胆管癌による心不全で亡くなりました。彼女の死は、多くのメディアで報じられ、同時に生前の活動を振り返る特別番組も放送されました。最期の舞台となった『おもろい女』では、黄疸を化粧で隠しながら千秋楽まで演じぬきました。

評価と受賞歴

多くの共演者や関係者から「お母さん」と呼ばれ、愛され続けた彼女は、演劇評論家からも演技力と存在感を高く評価されました。演技の幅広さや母親役としての温かみは、視聴者に深く印象を残しました。受賞歴には、文化庁芸術祭大賞や紫綬褒章、勲四等宝冠章など多数があります。

おわりに

山岡久乃は、その卓越した演技力と、国民に愛された母親像で、日本の猿日所属の女優としての地位を築きました。彼女の残した作品や記憶は、今もなお多くの人々に影響を与え続けています。

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