生きとし生ける物へ

生きとし生ける物へ

「生きとし生ける物へ」は、森山直太朗の5枚目のシングルで、2004年3月17日にユニバーサルミュージックから発売されました。この曲は、喜びや生命力をテーマにした作品であり、特に「古今和歌集」の和歌「花に鳴く鶯、水に住む蛙の声を聞けば、生きとし生けるもの、いづれか歌を詠まざりける」にその源があると言われています。

曲の製作過程には森羅万象の影響が色濃く見られます。ミュージックビデオ（MV）のユニークなシーンとして、森山直太朗が雨に打たれながら演じる姿があり、この演出は自然の力強さを象徴しています。特に、雨との戯れは、生命が持つ力を強調するためのものと考えられます。さらに、MVの中で見られる森山の笑顔には、意外なエピソードが隠されています。撮影の際、彼は笑顔を見せることができず、監督がカメラの後ろで下半身を露出してしまうというユーモアある手法で、彼を笑わせることに成功しました。

また、このシングルは、後に本作のミュージック・ビデオを収録したDVDシングルとしても発売され、多くのファンに愛され続けています。ジャケットのデザインにはてんとう虫が使用されており、「万物の代表」としての小さな生き物が光を浴びている様子を、森山自身がイメージした結果だと言われています。無邪気さや希望の象徴としてのてんとう虫は、曲自体のメッセージとも共鳴しています。

最初は「今が人生」という曲がシングルとして発表される予定でしたが、そのリリースは中止となり、「生きとし生ける物へ」がその代わりにリリースされることになりました。この曲には、いくつかの収録曲が含まれており、その中にはフジテレビ系ドラマ「愛し君へ」の主題歌や、TBS系ドラマ「3年B組金八先生 第8シリーズ」の挿入歌としても知られる「生きとし生ける物へ」が含まれています。

さらに、2022年12月18日に放送されたM-1グランプリ2022の敗者復活戦では、ダンビラムーチョがこの曲をフルコーラスで披露するというパフォーマンスを行いました。その結果、彼らは18組中9位に終わったものの、観客や視聴者に強烈な印象を残し、公式YouTubeチャンネルでの再生数も高く評価されました。翌日、森山は自身のTwitterでこの漫才を称賛し、「そっと観てみたけど面白すぎて悶絶している日暮れ時」と語るなど、アーティストとしての彼の魅力をも再確認させる出来事となりました。

「生きとし生ける物へ」は、けっして単なる楽曲でなく、多くの人々に愛され続けるメッセージやエピソードが込められた重要な作品です。

もう一度検索