生命 (松山千春の曲)

「生命」（いのち）

「生命」（いのち）は、日本の代表的なシンガーソングライター、松山千春によって1994年4月21日に発表されたシングル楽曲です。彼のキャリアにおいて通算35枚目となるこのシングルは、同日にリリースされたベスト・アルバム『起承転結 VI』と同時に店頭に並びました。

作品の特徴と収録アルバム

このシングルの収録曲、表題曲である「生命」とカップリング曲の「風のささやき」は、発表された時点では松山千春のオリジナル・アルバムには収録されませんでした。その後、これらの楽曲は彼のベスト・アルバムによって初めてアルバムに収められることになります。「生命」は、1996年にリリースされたベスト・アルバム『風景』で初めてCDアルバムに収録されました。一方、カップリング曲の「風のささやき」は、その翌年の1997年に発表されたベスト・アルバム『起承転結 VII』に初めて収録されることとなり、それぞれの楽曲が異なる時期に異なるベスト盤でファンの手に届けられる形となりました。

タイアップとメディアでの反響

表題曲である「生命」は、その普遍的なメッセージ性から、発表当時から複数のタイアップに起用されています。具体的には、住友生命のCMシリーズ『愛&愛』のコマーシャルソングとして、また、さくら不動産のCMソングとしても使用され、多くの人々の耳に触れる機会を得ました。

時を経て、2008年10月28日に放送された日本テレビ系列の音楽番組『誰も知らない泣ける歌』でこの楽曲が取り上げられた際には、再び大きな注目を集めました。番組内で紹介されたことをきっかけに、「生命」は同番組に関連して制作されたコンピレーション・アルバムに収録されることになります。具体的には、『誰も知らない泣ける歌 オフィシャル・コンピレーションアルバム』および『誰も知らない泣ける歌 外伝 もらい泣き篇』といったアルバムに、感動的な楽曲として収められています。

現代における新たな命

発表から長い年月が経過した後も、「生命」は再び脚光を浴びています。2024年に公開された映画『室井慎次 生き続ける者|室井慎次_生き続ける者』の主題歌として、この楽曲が採用されたのです。過去のタイアップやメディア紹介を経て、さらに新たな形で現代に響く楽曲として位置づけられることとなりました。

このシングルは、松山千春のキャリアにおける特定の時期を象徴する作品であるとともに、発表後も様々な機会を通じて多くのリスナーに「生命」というテーマについて考えさせる、息の長い楽曲と言えます。1994年の音楽シーンに登場し、その後もベストアルバムへの収録、メディアでの紹介、そして映画主題歌といった形で再評価され続けるその軌跡は、楽曲が持つ力強さを示しています。

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