誰も知らない泣ける歌

誰も知らない泣ける歌：心に響く名曲の数々

2008年10月7日から2009年5月26日にかけて、日本テレビ系列で毎週火曜夜9時に放送された音楽番組『誰も知らない泣ける歌』（通称「泣け歌」）。オリコンチャートの上位にランクインするようなヒット曲ではなく、セールスや知名度は低くても、聴く人の心に響く「泣ける曲」に焦点を当てた、他に類を見ない番組でした。

番組は、インディーズバンドの楽曲から、著名なミュージシャンのアルバム未収録曲、地方局でヒットした曲、アニメソングや童謡、CMソング、企業ソングなど、幅広いジャンルの楽曲を取り上げていました。さらに、知られざるエピソードを持つ名曲や、カバー曲なども紹介され、多様な音楽の側面を提示していました。

番組の大きな特徴は、楽曲紹介に再現ドラマを交えていた点です。楽曲の背景や、歌にまつわる感動的なエピソードをドラマで再現することで、視聴者はより深く楽曲の世界観に浸ることができ、単なる音楽紹介番組を超えた、心に訴えかける演出となっていました。

2009年1月からは、「泣ける歌グッとシアター」という新たなコーナーがスタート。参加者たちが、ジャンルや歌にこだわらず、心にグッとくる音楽にまつわるパフォーマンスやエピソードを披露し、司会の西田敏行さんが「グッと」「ググッと」「グググッと」の三段階で審査する、視聴者参加型のコーナーも設けられました。このコーナーでは、芸能人の他に一般応募者も出演し、番組の親しみやすさと多様性を象徴するものでした。

司会は西田敏行さんと上田晋也（くりぃむしちゅー）さんが務め、歌の語り部として高原兄さんと萩原健太さんが出演。2人の落ち着いた語り口調と、楽曲に込めた想いの解説が、番組全体の雰囲気をさらに深みのあるものにしていました。

番組開始当初は2時間スペシャルとして放送され、12%というまずまずの視聴率を記録しました。その後は一桁台後半を推移し、時間帯最下位になることもありましたが、それでも根強いファンを獲得し、多くの視聴者の共感を呼びました。

2009年5月26日の放送をもって終了した後、番組枠は単発特別番組として活用され、その後は『有名人が集まる結婚相談所』が特番として放送され、レギュラー化された『シアワセ結婚相談所』へと繋がっていきました。これにより、日本テレビ火曜夜9時の音楽番組シリーズは幕を閉じました。

番組で紹介された楽曲は、CDに収録された公式コンピレーションアルバムとして発売され、番組の趣旨にインスパイアされた外伝盤も同時にリリースされるなど、大きな反響を呼びました。

『誰も知らない泣ける歌』は、単なる音楽番組の枠を超え、視聴者の心に深く刻まれた、忘れがたい番組として記憶されています。 多くの楽曲が紹介されたため、ここでは一部の楽曲のみを抜粋して紹介しています。放送された全楽曲は、番組公式サイトのアーカイブ等をご確認ください。

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