生命あるものはみな-Human Being-

アルバム『生命あるものはみな-Human Being-』

モンゴル出身の歌手、オユンナが1998年2月18日にポニーキャニオンよりリリースした、通算4枚目となるオリジナルアルバムである。この作品は、タイトルを『生命あるものはみな-Human Being-』（いのちあるものはみな-Human Being-）と読み、その名の通り、生命や人間性といった普遍的なテーマを扱っている。

本作の特筆すべき点は、オユンナ自身が初めてアルバム制作におけるプロデュースを手がけたことにある。リリース当時のキャッチコピー「あの天使の歌声・オユンナが初のプロデュース 女性の揺れる心と明日の夢と…」が示すように、彼女自身の音楽性や世界観、そして特に女性が抱える繊細な感情の機微や、未来への希望といった要素が色濃く反映された作品となっている。楽曲の選定からアレンジに至るまで、オユンナのディレクションが光るアルバムと言えるだろう。

アルバムには、ボーナストラックとして収録された3曲を含め、全13曲が収められている。これらの楽曲群は、様々な作家陣とのコラボレーションによって生み出された。作詞においては藤公之介が多くの楽曲を提供しており、また城戸 脩も参加している。作曲は、ボーナストラックの「ヒロシマの少女の折鶴」と「ときめきの夕暮れ」を除き、ほとんどの楽曲をオユンナ自身が手がけている。編曲は川崎康宏が中心となり、一部の楽曲では槌田靖識が担当している。

収録曲の中でも特に「ヒロシマの少女の折鶴」は、その背景に触れておく必要がある。この楽曲は、アルバムの初期に添付された歌詞カードでは「モンゴル愛唱歌」として紹介されていたが、その後に正式な作詞者ヤオホラン・インヘ氏と作曲者ダリザフ・ダッシニャム氏の名前が判明し、現在のクレジットでは両氏の名前が明記されているという経緯を持つ。この曲の編曲は倉田信雄が手がけている。

ボーナストラックとしては、「ヒロシマの少女の折鶴」の他に、作詞・作曲をオユンナ、編曲を川崎康宏が担当した「ときめきの夕暮れ」、そして作詞を藤公之介、作曲をオユンナ、編曲を川崎康宏が担当した「天の子守歌1998」が収録されており、アルバム全体の彩りを豊かにしている。

以下に、本作の全収録曲リストを記す。

• - 星のプラトー（作詞: 藤公之介、作曲: オユンナ、編曲: 川崎康宏）
• - エンジェル・キッス（作詞: 藤公之介、作曲: オユンナ、編曲: 川崎康宏）
• - A･Brand-New Mind（作詞: 城戸 脩、作曲: オユンナ、編曲: 川崎康宏）
• - 私は行方不明（作詞: 藤公之介、作曲: オユンナ、編曲: 川崎康宏）
• - 金曜日はメランコリー（作詞: 藤公之介、作曲: オユンナ、編曲: 川崎康宏）
• - 風ふたたび（作詞: 藤公之介、作曲: オユンナ、編曲: 槌田靖識）
• - 水仙のプレリュード（作詞: 藤公之介、作曲: オユンナ、編曲: 川崎康宏）
• - 草原伝説（作詞: 藤公之介、作曲: オユンナ、編曲: 川崎康宏）
• - 夢と歌があるなら（作詞: 藤公之介、作曲: オユンナ、編曲: 槌田靖識）
• - 生命あるものはみな（作詞: 藤公之介、作曲: オユンナ、編曲: 川崎康宏）
• - ヒロシマの少女の折鶴（ボーナストラック）（作詞: ヤオホラン・インヘ、作曲: ダリザフ・ダッシニャム、編曲: 倉田信雄）
• - ときめきの夕暮れ（ボーナストラック）（作詞/作曲: オユンナ、編曲: 川崎康宏）
• - 天の子守歌1998（ボーナストラック）（作詞: 藤公之介、作曲: オユンナ、編曲: 川崎康宏）

これらの楽曲を通じて、『生命あるものはみな-Human Being-』は、オユンナのアーティストとしての新たな一面を開花させると同時に、聴く者の心に深く響くメッセージを伝えている。本人プロデュースによって、彼女自身の世界観がより純粋な形で表現された記念碑的な作品と言えるだろう。

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