生命の實相

生命の實相

『生命の實相』は、昭和初期から中期にかけて谷口雅春によって著された、宗教法人「生長の家」の重要な聖典の一つです。頭注版と携帯版は全40巻、愛蔵版は全20巻で構成され、初版（復刻版）や点字版も存在します。初期には豪華版も刊行されていました。日本教文社から出版され、生長の家では「神が谷口雅春に書かせたもの」とされています。

概要

元々は、著者である谷口雅春が修身雑誌として自費出版した『生長の家』を再編集したものです。聖典としての側面を持ちながらも、宗教的哲学書としての性格も有しています。本書では、人間の「實相」（本当の姿）は神の子であり、無限の愛、無限の知恵、無限の自由、そしてあらゆる善に満ちた永遠不滅の生命であると説かれています。また、この世界は心に思い描いたものが現象として現れると捉え、人間の本質が神の子であるという真理を理解することで、現実世界においても幸福が現れると主張しています。特に第9巻は頻繁に引用されています。

1900万部以上を売り上げたベストセラーであり、昭和初期には本書を読むことで人間関係が円滑になったり、病気が治癒したりするなどの「奇跡」が起こり、生長の家の拡大に大きく貢献したとされています。

生長の家には、本書の他に『甘露の法雨』や『新版真理』（全11巻）などが聖典として存在します。

発刊停止問題

公益財団法人生長の家社会事業団および生長の家本流運動の出版部門である光明思想社が、生長の家系の出版社である日本教文社が出版していた『生命の實相』、『聖経 甘露の法雨』に対し、著作権侵害を理由に発刊差し止めと損害賠償を求める訴訟を起こしました。知的財産高等裁判所は2016年2月24日に、生長の家社会事業団側の訴えを認め、発刊の停止（書籍の廃棄）と20万円の支払いを命じました。

各版について

生命の實相 頭注版〈全40巻〉
生命の實相 愛蔵版〈全20巻〉

外部リンク

日本教文社の生命の實相のウェブサイト'>生命の實相 日本教文社
聖典普及協会の生命の實相のウェブサイト'>生命の實相 世界聖典普及協会

もう一度検索