谷口雅春

谷口雅春

谷口雅春（1893年11[[月22日]] - 1985年6[[月17日]]）は、新宗教「生長の家」の創始者であり、初代総裁を務めた人物です。本名は谷口正治。

生い立ちと学歴

谷口雅春は、1893年に兵庫県に生まれました。大阪府立市岡中学（旧制）を経て、早稲田大学文学部英文科を中退しています。大学では、青野季吉、木村毅、坪田譲治らと机を並べました。

生長の家の創始と活動

早稲田大学中退後、大本の専従活動家となります。出口王仁三郎の『霊界物語』の口述筆記や機関紙の編集に携わるなど、教団内で重要な役割を担いました。1922年の第一次大本事件を機に大本を脱退し、浅野和三郎の『心霊科学研究会』に参加。ニューソート（自己啓発）の影響を受け、これを『光明思想』として紹介しました。

1929年、「今起て!」という神の啓示を受けたとされ、勤務していた会社を辞め、『生長の家』誌の執筆に着手。1930年3[[月1日]]に『生長の家』誌を自費出版し、これが「生長の家」の立教記念日となりました。谷口雅春は、「言葉こそ真理そのものである」として「声字即実相」の真理を説き、言葉と文字を通じて「大宇宙の真理」を伝えようとしました。

教えの根本原理

谷口雅春の教えは、以下の2点を根本原理としています。

1. 人間はみな神の子であり、無限の愛、無限の知恵、無限の自由、その他あらゆる善きものに満ちた永遠不滅の生命である。
2. 現象界は心の現れであるから、人間の実相は神の子であるという真理を悟れば、現象世界においても幸福が現れる。

また、神道、仏教、キリスト教など諸宗教は、その根本においては一致しているという「万教帰一」の立場を取りました。

第二次世界大戦とその後の活動

第二次世界大戦中には、国家主義・天皇信仰・感謝の教えを説き、信徒の間で「愛国聖典」と呼ばれる著作を著しました。戦後は、日本国憲法をGHQによる押し付けであるとして批判し、「明治憲法復元運動」を起こしました。

1974年には、宗教界の保守主義団体「日本を守る会」の結成に関わりました。また、優生保護法の廃止を強く訴え、生命尊重の立場から、人間の胎児だけでなく動物の生命も尊重すべきであると主張しました。

1978年に生長の家総本山に移住し、政治活動の一線から退きました。1983年には、優生保護法廃止が実現しないことなどを理由に、生長の家政治連合の活動が停止されました。

死去とその後

1985年、長崎の生長の家総本山で死去しました。解脱名（戒名）は「實相無相光明宮大真理説授正思惟大聖師」です。

家族

妻・輝子との間に1女をもうけました。娘婿は第2代生長の家総裁の谷口清超、孫には第3代生長の家総裁の谷口雅宣がいます。

主な著作

谷口雅春は400冊以上の著作を残しました。代表的なものとしては、以下が挙げられます。

『生命の實相』
『甘露の法雨』
『奇蹟を生ずる実相哲学』
『真理』
『如意自在の生活365章』

参考文献

生長の家 編『生長の家三拾年史』日本教文社、1959年3[[月1日]]。
小野泰博 『谷口雅春とその時代』 東京堂出版
鈴木宗憲 「安保闘争への思想と行動-生長の家=谷口雅春」 『五大教祖の実像』 八雲井書院、1977。

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