生頼範義

生頼範義（おおらい のりよし / おうらい のりよし）

1935年11月17日 - 2015年10月27日。日本のイラストレーター。
油絵風の重厚な画風と、迫力ある構図で、映画、小説、ゲームなど幅広い分野で数々の作品を手がけ、多くの人々に強い印象を与えた。

生涯

兵庫県明石市に生まれ、第二次世界大戦中に鹿児島県川内市（現・薩摩川内市）へ疎開。
鹿児島県立川内高等学校を卒業後、東京芸術大学美術学部に入学するも、後に中退。
1962年にイラストレーターとして活動を開始し、1973年に宮崎県宮崎市へ拠点を移す。

代表作と功績

1980年、SF雑誌に発表した「スターウォーズ」のイメージ画が、ジョージ・ルーカスの目に留まり、『スター・ウォーズ 帝国の逆襲』国際版ポスターのイラストを依頼される。
このポスターは高い評価を受け、生頼範義の名は海外にも知れ渡ることとなった。
同年、第11回星雲賞アート部門を受賞。

1983年には書籍『東宝特撮映画全史』の表紙を担当。翌年の映画『ゴジラ』のポスターを手がけて以降、平成ゴジラシリーズ（VSシリーズ）のポスターイラストを多数担当。

ストーリーやキャラクターデザインが未決定の段階でポスター制作に取り掛かることもあり、『ゴジラvsキングギドラ』のキングギドラや『ゴジラvsデストロイア』のデストロイア完全体は、生頼範義のポスターデザインがベースになっている。

その他、映画『日本沈没』、『機動戦士ガンダム　逆襲のシャア』、小説『ウルフガイ』シリーズ、『幻魔大戦』シリーズ、ゲーム『信長の野望』シリーズ、『三國志』シリーズなど、様々なジャンルの作品を手がけた。

作風

日本や中国、欧州などを舞台にした時代物、アクション・戦争物、SF・伝奇、怪獣特撮といった分野のイラスト依頼が多く、リアルな写実画と迫力を加えたデフォルメを得意とした。
ペンと筆、定規を使い、アシスタントを使わず全て一人で描き上げた。

書籍『ゴジラ大百科 新モスラ編』では、生頼範義の絵の特色として、「基調色を全体に強く打ち出す彩色」と「描く対象同士の本来の大きさをあえてくずして配置する大胆な構図」を挙げている。
独特の色彩感覚と大胆な構図は「生頼タッチ」とも称される。

目標とする画家として、オランダの画家フランス・ハルスを挙げている。

晩年

2011年に脳梗塞を発症し、休筆。
2013年、宮崎県文化賞芸術部門を受賞。
2014年、みやざきアートセンターで「生頼範義展」を開催。平成26年度文化庁映画賞で功労賞を受賞。
2015年10月27日、肺炎のため死去。79歳没。

没後の2016年、第35回日本SF大賞で功績賞、第47回星雲賞でアート部門を受賞。
2018年には、東京・上野の森美術館で「生賴範義展」が開催された。

主な作品

映画ポスター
『スター・ウォーズ 帝国の逆襲』国際版ポスター
『ゴジラ』シリーズ（平成ゴジラシリーズ）
『日本沈没』
『機動戦士ガンダム　逆襲のシャア』
小説カバー・挿絵
『ウルフガイ』シリーズ
『幻魔大戦』シリーズ
角川文庫　平井和正作品
角川文庫　小松左京作品
ゲームパッケージイラスト
『蒼き狼と白き牝鹿』シリーズ
『信長の野望』シリーズ
『三國志』シリーズ
* 『大航海時代』シリーズ

評価と影響

生頼範義は、その卓越した画力と、独創的な世界観で、多くのファンを魅了し、後世のクリエイターに多大な影響を与えた。
彼の作品は、今もなお、色褪せることなく、多くの人々に愛され続けている。

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