生駒山テレビ・FM送信所

生駒山テレビ・FM送信所

生駒山テレビ・FM送信所は、大阪府東大阪市と奈良県生駒市にまたがる生駒山に位置する、テレビジョン放送とFMラジオ放送の基幹送信所です。この送信所は、在阪広域テレビ局、大阪府域局、FM COCOLOの親局、奈良県域局の親局・中継局、そして在阪広域AMラジオ局のFM補完中継局としての役割を担っています。

放送エリア

この送信所から発信される電波は、以下の地域に広がっています。

NHK大阪・広域圏民放: 大阪府の大部分、京都府の京都盆地、兵庫県の阪神平野・淡路島、そして奈良県の一部をカバーします。
大阪府域局（テレビ大阪）: 大阪府のほぼ全域に加え、兵庫県と京都府の一部地域にも電波が届きます。
奈良県域局（NHK奈良総合、奈良テレビ放送）: 奈良県の一部地域と、大阪府四條畷市、京都府の一部で視聴可能です。

歴史

生駒山送信所は、日本のテレビ放送の黎明期から重要な役割を果たしてきました。以下にその主な歴史をまとめます。

1950年: NHK大阪放送局が総合テレビの実験放送を開始。
1954年: NHK大阪総合テレビが近畿広域圏の親局として正式に開局。
1956年: 大阪テレビ放送（現：朝日放送テレビ）が西日本初の民放テレビ局として開局。その後、関西テレビ放送、読売テレビ放送も開局し、民放テレビ局の送信所が次々と生駒山に開設されました。
1959年: 毎日放送が開局し、大阪テレビ放送が朝日放送に合併。また、NHK大阪教育テレビが開局しました。
1969年: NHK大阪FM放送が本放送を開始（当初はテレビ送信所から）。
1971年: NHKがFM放送を府県域化するにあたり、FM専用の新送信所を飯盛山に設置し、生駒山のNHK-FM送信所は廃止されました。
1982年: テレビ大阪が開局。広域圏各局よりも低い場所に送信所を設置しました。
1995年: 関西インターメディア（現：FM COCOLO）が開局し、生駒山にFM送信所が再設置されました。
2003年: 広域圏各局と大阪府域局が地上デジタルテレビ放送を開始。
2006年: 奈良県域局が地上デジタルテレビ放送を開始。
2011年: すべての地上アナログテレビ放送が終了。
2016年: 在阪AM各局がFM補完放送を開始。
2018年-2021年: 朝日放送と毎日放送が持株会社体制へ移行し、放送部門を分社化。それに伴いコールサインが変更されました。

所在地

生駒山は大阪府と奈良県の県境に位置するため、送信所の配置は複雑です。主な送信所の所在地は以下の通りです。

NHK大阪・近畿広域圏民放各社: 大阪府東大阪市山手町2028又は奈良県生駒市鬼取町662-1
TVO（テレビ大阪）: 大阪府東大阪市山手町2031-4
生駒奈良北中継局: 奈良県生駒市菜畑町2312-177
TVNデジタル（奈良テレビ放送デジタル）: 奈良県生駒市菜畑町2312-70
NHK東大阪石切中継局: 大阪府東大阪市上石切町2丁目
FM COCOLO: 大阪府東大阪市上石切町2丁目1451-23

送信設備の詳細

地上デジタルテレビジョン放送送信設備

NHK大阪は総合と教育の送信設備を共用しています。
MBS（毎日放送）はデジタル放送に限り、ytv（読売テレビ放送）の送信設備を共有しています。
NHK奈良総合の親局は松尾山にありますが、デジタル化に伴い、NHK奈良総合以外は生駒山からの電波を直接受信する方針に転換されています。

地上アナログテレビジョン放送送信設備

近畿地方でVHF放送電波を送信していたのは生駒山のみでした。
NHK東大阪石切中継局は、親局の受信が困難な東大阪市の一部をカバーするための難視聴対策用の中継局でした。
NHK奈良総合とTVNのアナログ親局は松尾山にありました。

FMラジオ放送送信設備

各局のFMラジオ放送の送信設備が設置されています。

地上デジタルラジオ放送送信設備

2010年6月に廃止された「実用化試験局」がありました。

マルチメディア放送送信設備

* モバキャス（V-High帯）とi-dio（V-Low帯）のマルチメディア放送が開始されましたが、NOTTV（モバキャス）は2016年6月30日にサービスを終了しました。

生駒山テレビ・FM送信所は、近畿地方の放送を支える重要なインフラ施設であり、その歴史は日本のテレビ・ラジオ放送の発展とともに歩んできたと言えるでしょう。

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