生駒市立生駒中学校

生駒市立生駒中学校（いこましりついこまちゅうがっこう）は、奈良県生駒市にある公立中学校です。地元では親しみを込めて「生中」（いこちゅう）と呼ばれています。

沿革

本校は、戦後間もない1947年 5月3日に生駒町立生駒中学校として産声を上げました。その後、1971年 11月1日に生駒町が市制を施行したのに伴い、現在の生駒市立生駒中学校へと名称が変更されました。

施設の面では、2000年代後半に大規模な改修が行われました。2005年の耐震診断の結果を受け、本館と南館の一部は改築が必要と判断され、北館には耐震補強が施されることになりました。これらの工事は2007年度から2008年度にかけて実施され、2009年 3月に全ての工程が完了し、新しくなった校舎が使用を開始しました。また、南館の内装工事も行われ、同時期には体育館の耐震補強工事も着手されています。

さらに、本校は環境に配慮した学校施設であるエコスクールとして文部科学省の認定を受けており、屋上には太陽光パネルが設置されています。また、国土交通省のハートビル法の認定基準も満たしており、本館には1階から4階までを結ぶエレベーターが設置されるなど、バリアフリーにも配慮した設計となっています。

生徒構成

主な通学区域は、生駒市立俵口小学校、生駒市立桜ヶ丘小学校、生駒市立生駒小学校からの進学者によって構成されています。生徒の出身小学校の割合はおおよそ俵口小学校からが約6割、桜ヶ丘小学校からが約3割を占め、生駒小学校からの進学者は比較的少数となっています。

年間行事

生駒中学校では、生徒たちの成長を促し、豊かな学校生活を彩る様々な年間行事が行われています。春には、新入生を迎える入学式と新入生対面式、家庭訪問が実施されます。5月には創立記念日（3日）と中間考査があり、6月には期末考査に加え、3年生の修学旅行（沖縄方面）や、1年生の奈良、2年生の大阪市への校外学習、そして生徒たちの歌声を披露する合唱コンクールが開催されます。夏を迎える7月には、学年別の球技大会と、生駒市中央公民館での平和学習会が行われます。秋には、文化的な発表の場である文化祭や体育的な技能を発揮する体育大会が大きなイベントとして実施されます。また、この時期には中間考査や3年生の実力テストが複数回行われ、地域清掃活動である「生駒中学校校区クリーンアップ作戦」も実施されます。11月には期末考査があり、数年に一度ですが文化鑑賞会も開催されます。冬に入り12月には、1・2年生を対象とした球技大会が行われます。年が明けた1月には、2年生が社会とのつながりを学ぶ職場体験（キャリア教育）に臨みます。年度末の2月には期末考査と公立高校の特色選抜入試があり、3月には公立高校の一般選抜入試、そして卒業式が行われ、生徒たちは学び舎を巣立っていきます。

部活動

本校には、多岐にわたる部活動があり、多くの生徒が活動に励んでいます。運動部では、卓球（男子・女子）、バスケットボール（男子・女子）、ハンドボール（男子・女子）、陸上（男子・女子）、バレーボール（女子）、ソフトテニス（男子・女子）、野球（男子）があり、これらの部は基本的に毎日練習が行われています。文化部には、茶道、生活科学、放送、吹奏楽、美術、科学、ESSがあり、茶道、生活科学、放送、美術は週に3回程度、科学とESSは週に1回程度活動しています。

吹奏楽部の活躍

特に吹奏楽部は、その輝かしい実績から本校を代表する部活動の一つとして知られています。全日本吹奏楽コンクールにおいては国内屈指の実力校として認識されており、日本の学校吹奏楽界を牽引する存在です。千葉県の柏市立酒井根中学校と並び称され、「西の生駒、東の酒井根」と形容されることもあります。

全日本吹奏楽コンクールへの出場は非常に多く、1998年からは11年連続で全国大会の舞台に立っています。この間、金賞を8回、銀賞を3回受賞するという優れた成績を残しており、特に2011年には金賞を獲得しています。また、吹奏楽連盟の規定により3年連続出場を達成した年度（2001年、2005年、2009年）は、全国大会への出場を辞退する「名誉の欠場」を経験しています。

定期演奏会を年2回（5月・11月）生駒市中央公民館で開催するほか、様々な演奏会やイベントにも積極的に参加しています。3年連続出場を達成した年度には、特別演奏会を11月に開催しています。他校との合同演奏会にも取り組み、2009年度には同じく連続出場校である千葉県柏市立酒井根中学校とのスペシャルスプリングコンサート（2010年 3月27日、森のホール21）を開催しました。また、2011年には千葉県松戸市立第四中学校とのスペシャルジョイントコンサート（2011年1月27日、奈良県橿原文化会館）を実施しています。

地域貢献活動としても、2010年と2011年には奈良マラソンにおいてファンファーレやスタート応援演奏を担当しました。さらに、2010年と2011年には生駒市が主催する「いこま国際音楽祭」に出演し、海外の著名な演奏家たちとも共演しています。

吹奏楽部の部員の多くは、校区内にある生駒市立桜ヶ丘小学校ハーモニックバンドクラブや生駒市立俵口小学校吹奏楽部といった、同じく全国大会常連校の小学校バンドの出身者です。生駒市内には、この二校に加え、生駒市立あすか野小学校ブラスバンドという強豪校もあり、地域全体で吹奏楽活動が盛んに行われています。両校とも全日本小学校バンドフェスティバルで好成績を収めており、特に2010年には桜ヶ丘小学校と俵口小学校が、2011年にはあすか野小学校が3年連続出場を達成するなど、市内の小学校との連携も吹奏楽部の活動を支えています。

吹奏楽部の演奏は、CDやDVDとしてもリリースされており、そのサウンドを聴くことができます。代表的なものに『インフィニティ』シリーズ（ブレーン）や、指導法を紹介する『生駒中学校にみる吹奏楽指導美しいサウンドづくり』（ジャパンライム）などがあります。

施設

校舎は本館、南館、北館の主要棟と、体育館、プールから構成されています。前述の通り、耐震補強・改築工事を経て、最新の基準に適合した施設となっています。エコスクール認定やハートビル法認定により、環境性能やバリアフリーにも配慮されています。

交通アクセス

公共交通機関を利用する場合、近畿日本鉄道の生駒駅（奈良線、生駒線、けいはんな線）で下車し、駅から北西方向へ約400mの距離に位置しています。自動車を利用する場合、阪奈道路の生駒インターチェンジからは南東へ約350mでアクセス可能です。

通学区域が隣接する学校

本校の通学区域は、生駒市立緑ヶ丘中学校、奈良市立富雄第三中学校、奈良市立富雄中学校、奈良市立二名中学校、生駒市立光明中学校といった他の中学校と隣接しています。また、大阪府との県境に位置するため、四條畷市立田原中学校、大東市立四条中学校、東大阪市立孔舎衙中学校などの大阪府内の中学校とも隣接しています。

生駒市立生駒中学校は、歴史と伝統を受け継ぎながら、生徒一人ひとりの成長を支援し、特に吹奏楽部をはじめとする部活動や多様な行事を通して、生徒たちの可能性を広げています。

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