産交バス荒尾営業所

産交バス荒尾営業所について

産交バス荒尾営業所は、かつて熊本県荒尾市に存在した産交バスの営業所です。1991年に九州産業交通から地域ごとに分社化された際、熊北産交の営業所として設立されました。その後、2005年4月には子会社の再統合により産交バスの営業所となりましたが、2006年11月30日をもって玉名営業所に統合され、その歴史に幕を閉じました。

営業所の所在地と併設バス停

営業所の所在地は、熊本県荒尾市荒尾の南用尺区にありました。併設されていたバス停は「荒尾産交」という名称で、地域の方々に利用されていました。

担当していた路線

荒尾営業所は、熊本市の熊本交通センター（現在の熊本桜町バスターミナル）から荒尾市四ツ山を結ぶ路線を主に担当していました。また、営業所を起点として、荒尾市内のほぼ全域、さらには近隣の玉名市内や長洲町方面など、県北エリアの広範囲な地域をカバーしていました。

過去には、熊本市内と福岡県大牟田市を結ぶ快速バス「みいけ号」も運行していましたが、JR鹿児島本線の増発の影響を受け、1992年に快速運転を中止し、植木町までの各駅停車となりました。その後、2000年頃には、荒尾・四山～大牟田駅間と大牟田駅～植木間が廃止されました。

競合と路線移譲

荒尾営業所のエリアでは、他社との競合が激しく、荒尾市営バスや大牟田交通（現在の西鉄バス大牟田）とサービス合戦を繰り広げていました。特に荒尾市営バスとは良きライバル関係にありましたが、荒尾市がバス事業から撤退を決定したことを受け、2004年4月に荒尾市営バスが運行していた路線の一部が産交バスに先行譲渡されました。さらに、2005年4月には残りのすべての路線が移譲され、車両と局舎もすべて譲り受けたことにより、荒尾市交通局は閉鎖・解散しました。

局舎譲受後、産交バスは従来の営業所から移転し、旧営業所を閉鎖・売却しました。その後、合理化と県北地域の業務活性化のため、2006年11月末日をもって玉名営業所に統合され、荒尾営業所は閉鎖されました。しかし、廃止後も産交バス玉名営業所荒尾車庫として車両と乗務員は引き続き駐在しており、バス停「荒尾産交前」は現在も利用されています（乗車券発売窓口は閉鎖）。

路線再編と直通廃止

2008年10月のダイヤ改正により、荒尾市内のバス路線網は見直され、重複する路線の統合や廃止など、多くの路線が大幅に再編されました。同時に、熊本市～荒尾市間の路線は玉名を境に系統分割され、両市間を結ぶ直通路線は廃止され、玉名駅での乗り換えが必要となりました。

産交バス荒尾営業所は、その短い歴史の中で地域住民の足として重要な役割を果たしました。現在はその姿を消しましたが、その名残はバス停や車庫として今も残っています。

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