用賀プロムナード

用賀プロムナードの概要

用賀プロムナードは、東京都世田谷区に位置し、東急田園都市線の用賀駅と世田谷美術館をつなぐ遊歩道です。このプロムナードは1986年に完成し、地域住民や美術館利用者が快適に暮らせる空間として設計されています。

いらかみちの特徴

プロムナードの約500mを占める「いらかみち」は、単なる歩行者専用道ではなく、地域の生活道路を再構成したものです。この道は新規用地を購入するのではなく、地域の既存の道路を基に交通量の詳細な調査を行い、歩行者と車が共存できるようにデザインされています。この取り組みは、地域に根ざした道路づくりという新しいアプローチの一例です。

「いらかみち」では、淡路瓦を使用して舗装が施され、水路やファニチャーが豊富に取り入れられており、まるで公園のような心地よい雰囲気を演出しています。また、地域住民が自由に利用できるファニチャー類も設置されているため、この道はただの通行路ではなく、生活の場としても機能しています。

設計の理念

このプロムナードを設計した象設計集団は、日本の道路づくりが経済優先であるために、車両通行を重視してきたと指摘し、その結果、かつての道の多様性が排除されてきたと述べています。しかし「いらかみち」の設計には、道本来の多様性を取り戻したいとの強い願いが込められています。たとえば、子どもたちが遊ぶ姿や、お母さんたちが集まっておしゃべりをする場面が日常的に見られることを目指しています。このような日常的な活動の場を提供することで、地域のつながりを強化し、生活をより豊かにしています。

みちのホール

さらに、プロムナード内には「みちのホール」と名付けられたエリアがあります。ここは歩行者と車両が共有する道ですが、瓦が敷き詰められたヒューマンスケールの空間が形成されています。このエリアでも、通行する人々を自然に引き寄せる工夫がされています。道の一部としてだけでなく、地域の人々が集まる広場としての役割も果たしているのです。このように、用賀プロムナードはただの通行路ではなく、地域の生活を豊かにするための工夫が随所に盛り込まれた「みち」の空間なのです。

まとめ

用賀プロムナードは、用賀駅から世田谷美術館に至るまでの間に、地域コミュニティの一部としても機能する歩行者と車両の共存空間を提供しています。そのデザイン哲学と実用性は、地域の人々に新たな生活の舞台を提供するための一歩となっています。

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