田中三男

田中三男（たなか みつお）は、1907年（明治40年）11月21日に兵庫県相生市で生まれ、1974年（昭和49年）7月11日に生涯を閉じました。日本の外交官として、そのキャリアを通じて重要な役割を果たしました。

経歴

1932年、外交官試験に合格し、翌1933年に東京帝国大学法学部を卒業後、外務省に入省しました。外交官としての最初の赴任地はニューヨークであり、その後、通商局の1課、3課、上海、北京、天津など、国内外の様々な場所で勤務しました。神戸連絡調整事務局局長を経て、管理局経済部総務課長、調査局5課長、同1課長を歴任。

1950年8月には管理国入国管理部長に就任し、翌年には入国管理庁研修所長を務めました。1952年2月にはサンフランシスコ在外事務所所長となり、同年4月にはサンフランシスコ総領事に任命されました。この時期には、1951年の密出入国に関する治安行政機関監察の件で、衆議院行政監察特別委員会に証人として喚問されるという出来事もありました。

その後、情報文化局長を2度務め、その間には吉田茂首相の秘書官も務めました。1957年にはニューヨーク総領事として再び海外勤務となり、1961年2月にはチリ大使、1963年9月にはアルゼンチン大使、1967年12月にはトルコ大使を歴任しました。これらの大使としての勤務は、彼の外交官としての経験と知識を活かし、それぞれの国との関係構築に貢献しました。

1970年11月に帰国し、1971年7月に依願退職しました。1974年に死去し、その功績を称えて正三位勲一等瑞宝章が贈られました。

人物像

田中三男は、戦前・戦後という激動の時代において、日本の外交を支えた重要な人物の一人でした。その国際的な視野と語学力、そして卓越した交渉力は、数々の重要な外交任務を成功に導きました。また、情報文化局長としての活動を通じて、日本の文化や情報を海外に発信することにも貢献しました。彼の外交官としての業績は、今日の日本の外交にも大きな影響を与えています。

参考文献

* 外務省外交史料館日本外交史辞典編纂委員会『新版 日本外交史辞典』山川出版社、1992年。

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