田中克行

田中克行（1969年11月6日 - 1996年8月6日）は、中世後期の村落社会を専門とした日本の歴史学者であり、東京大学史料編纂所助手でした。埼玉県狭山市出身。

学歴と職歴

1988年3月に埼玉県立川越高等学校を卒業後、1992年3月に東京大学文学部国史学科を卒業。1994年3月には東京大学大学院人文科学研究科修士課程を修了しました。1996年4月より東京大学史料編纂所助手として勤務しましたが、同年8月、急性心不全により逝去しました。

人物

田中は、東京大学史料編纂所の菊地大樹准教授、井上聡助教、信州大学人文学部の佐藤全敏准教授らと同期であり、東京大学大学院人文社会系研究科の高橋典幸准教授は一つ年下にあたります。東京大学入学後、教養課程から勝俣鎮夫に師事し、学部・大学院と一貫して指導を受けました。専門課程に進学してからは、石井進、五味文彦、村井章介、久留島典子らからも教えを受けています。

修士論文「中世惣村文書の研究―菅浦共有文書を題材にして―」（1993年度提出）は、8編からなる大作であり、その内容は中世史研究において高く評価され、将来を嘱望される存在でした。

著書

『中世の惣村と文書』（山川出版会、1998年）

参考文献

『虹の記憶―田中克行遺稿集―』（田中克行遺稿集編集委員会、1997年）


田中克行は、短い生涯でしたが、中世史研究に大きな足跡を残しました。彼の研究は、中世村落社会の実態を解明する上で重要な貢献をしており、没後もその業績は高く評価されています。また、遺稿集からは、彼の研究に対する情熱や、誠実な人柄が偲ばれます。

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