田中博美

田中博美：仏教学者、禅僧、茶人、そして音楽家

田中博美（たなか ひろみ、1949年 - 2013年）は、日本の仏教学者であり、東京大学史料編纂所准教授を務めました。専門は中世禅文化、特に夢窓疎石の研究で知られています。研究者としての顔だけでなく、曹洞宗の僧侶、茶人、チェンバロ奏者という多彩な側面を持つ人物でした。

生い立ちと学歴

1949年、田中博美は都内の書家の家庭に生まれました。幼少の頃から茶道に親しみ、日本の伝統文化に触れて育ちました。その後、東京大学大学院人文科学研究科修士課程を修了し、仏教学の道へと進みました。

研究者としての活動

東京大学史料編纂所に助手として勤務し、その後、助教授（のち准教授）に昇進しました。史料編纂所では、中世禅文化に関する史料の研究、整理、編纂に携わりました。特に、夢窓疎石の研究においては、その思想や文化史的な意義を明らかにする研究成果を発表し、学界に貢献しました。

僧侶、茶人、音楽家としての活動

研究活動と並行して、田中博美は曹洞宗泉龍寺（狛江市）にて得度し、僧侶としての道を歩み始めました。また、幼少から親しんだ茶道を通じて、茶道の指導にもあたりました。さらに、オルガン奏者、チェンバロ奏者としても才能を発揮し、都内のホールで演奏活動を行うなど、音楽家としても活動しました。

著作リスト

田中博美は、研究者として多数の著作、論文を発表しています。主な著作として以下のようなものがあります。

『中国禅僧列伝 - 禅語をうんだ名問答』（淡交社、2003年）
『茶道望月集 - 校註』（茶道望月集を読む会編、茶の湯文化研究所、2004年）監修
『合本 支桑禅刹 -支桑禅刹・倭漢禅刹・扶桑五山記-』（小林承鐵編、山家浩樹と校訂、春秋社、2014年）校訂

また、CiNiiやINBUDSで論文を検索することができます。

連載

『草創期の茶人たち』1-12（『淡交』39-1～12号、淡交社、1985）
『墨蹟の祖師たち』1-30（『茶道の研究』三徳、1997 - 1999）→ 『中国禅僧列伝 - 禅語をうんだ名問答』（淡交社、2003年）

科研費

KAKENで田中博美の研究に関する情報を検索できます。

参考文献

『中国禅僧列伝 - 禅語をうんだ名問答』（淡交社、2003年）

外部リンク

田中博美 (hiromi.tanaka.1253236) - Facebook
サントリーホール > 田中博美の音楽空間

田中博美は、仏教学者としてだけでなく、禅僧、茶人、音楽家としても豊かな才能を発揮し、多岐にわたる分野で足跡を残しました。その学術的な業績と文化的な活動は、今もなお多くの人々に影響を与え続けています。

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