淡交社

株式会社淡交社の概要

株式会社淡交社（たんこうしゃ）は、京都府京都市北区に本社を構える出版社です。主に、茶道に関する書籍や京都にまつわる出版物を手がけ、多くのファンに親しまれています。

歴史

この企業は、裏千家の茶道家元である淡々斎家の次男、納屋嘉治が設立しました。彼は同志社大学を卒業した翌年に出版社を立ち上げ、裏千家の機関誌「淡交」を刊行することからスタートしました。現在は、淡々斎の孫にあたる伊住公一朗が経営を担当しています。

社名の由来は、荘子の言葉「君子之交淡若水」に見られるように、立派な人同士の清らかな交わりを表しています。この理念に基づき、淡交社は茶道を中心に日本の伝統文化を広める活動を展開しています。

創立当初から、編集者であり僧侶でもあった臼井史朗がチームに加わり、茶道をはじめとするさまざまな伝統文化に関する書籍や雑誌の発行を行いました。その後、出版は多岐にわたり、特に京都に関するガイドブックや文化に関する本が数多く刊行されています。

記念事業

淡交社は、設立からの記念事業として、50周年を機に茶道学大系を刊行しました。また、60周年には茶道大辞典、65周年には茶花大辞典の新版を出版し、業界内外から高く評価されています。出版物は、茶道関係だけでなく、他の分野でも数多くの賞を受賞しており、1988年には『原色茶花大事典』で毎日出版文化賞特別賞、2001年には『仏像彫刻―鑑賞と彫り方―』で文部科学大臣賞を受賞しています。

事業内容

淡交社は、特に茶道と密接に関連している出版社で、「淡交」という裏千家の機関誌を今も続けて編集・発行しています。役員や主要株主は裏千家の一門で構成されています。これに加えて、他の雑誌『なごみ』や『淡交テキスト』も発行しており、茶道の普及に努めています。

出版だけでなく、茶道具や茶室の設計、建築に関するサービスも提供しており、京都本社の1階には書籍と茶道具を販売しているフロアが設けられています。

茶道以外の出版物

淡交社は、茶道関連の書籍以外にも、美術工芸、歴史文化、旅行ガイド、料理、また趣味や生活に関する書籍など多彩なラインナップを持ちます。『京都大事典』や『京都検定公式テキストブック』といった、地域に根差した書籍も発表しています。また、文芸分野にも進出しており、著名な作家の作品も出版しています。

さらに、日本語以外でも書籍の発行を行い、国際的な読者にもアプローチしています。こうした多角的な取り組みによって、株式会社淡交社は日本の伝統文化の普及と保存に貢献しているといえるでしょう。

もう一度検索