田中和夫 (法学者)

田中和夫（たなか かずお）は、1903年12月26日に和歌山県伊都郡山田村（現在の橋本市）で生まれ、1998年8月3日に生涯を終えた日本の法学者です。専門は英米法と民事訴訟法であり、その研究と教育活動は、日本の法学界に大きな足跡を残しました。

学歴

1921年3月に第一高等学校文科甲類に入学し、1924年3月に同校を卒業。同年4月には東京帝国大学法学部法律学科に入学しました。1927年3月に同大学を卒業し、法学の道を歩み始めました。1949年8月には九州大学より法学博士の学位を授与されています。

職歴

1927年に東京帝国大学法学部助手としてキャリアをスタートさせました。その後、1928年6月に九州帝国大学法文学部講師、1929年6月には同大学の助教授に就任。1940年4月には教授に昇進し、九州大学名誉教授の称号を得ました。1949年6月には一橋大学法学社会学部外国法講座教授に就任し、手続法（後に民事訴訟法）を担当しました。1953年4月には一橋大学法学部外国法講座教授となり、1961年4月から1967年3月まで法学部長を務めました。1967年3月、一橋大学を定年退官し、同年4月には獨協大学教授・法学部長に就任、一橋大学名誉教授の称号も授与されました。1980年には自由学園の理事長に就任し、1984年に獨協大学を退職、獨協大学名誉教授となりました。

研究と教育

田中和夫の研究は、英米法と民事訴訟法の分野で多岐にわたりました。特に、英米法の比較法的研究は、日本の法制度の発展に大きな影響を与えたと評価されています。また、民事訴訟法の分野では、理論と実務の両面から重要な貢献をしました。教育者としても非常に優れており、多くの優れた法学者を育成しました。田中ゼミの出身者には、池田光晴（元創価大学教授）、魚谷増男（元愛媛県警察本部長）などがいます。師は高柳賢三であり、その学問的影響を強く受けています。

受賞歴

1943年に勲四等瑞宝章、1974年には勲二等瑞宝章を受章しており、その功績が広く認められています。

田中和夫は、日本の法学界において、その研究、教育、そして人格において、多大な尊敬を集めた人物でした。

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