田中忠雄 (実業家)

田中忠雄（1911年11月20日-1983年10月19日）は、日本の実業家の1人として、日本電気株式会社（NEC）の社長を務め、その発展に多大な貢献を果たした人物です。秋田県に生まれ、旧制埼玉県立浦和中学校、旧制浦和高等学校文科甲類を経て、東京帝国大学法学部法律学科を卒業しています。

学生時代はバレーボール部に所属しており、スポーツへの関心の高さがうかがえます。この情熱は、のちにNECレッドロケッツの創部にも繋がっていくことになります。

卒業後、日本電気に入社し、着実にキャリアを積んでいきます。そして1976年6月、小林宏治氏の後任として、日本電気の社長に就任。そのリーダーシップの下、同社は新たな成長段階へと歩を進めます。

田中氏が社長に就任した直後の1976年8月には、パーソナルコンピュータブームの到来を予感させる画期的な製品、コンピュータトレーニングキットTK-80が発売されました。TK-80は、一般消費者にもコンピュータに触れる機会を提供するものであり、日本の情報化社会の進展に貢献した製品と言えるでしょう。この製品の成功は、田中氏の先見の明と経営手腕を証明するものです。

また、田中氏の社長在任中には、NECレッドロケッツバレーボール部が創部されました。1978年にヤシカバレーボール部から移籍する形で発足した同チームは、現在も日本バレーボール界をリードする強豪チームとして活躍を続けています。学生時代からのバレーボールへの熱意が、企業スポーツチームの育成という形で結実したと言えるでしょう。

1980年には、関本忠弘氏に社長の座を譲り、退任。その後も日本の経済界に貢献する道を歩み続けましたが、1983年10月19日、71歳でその生涯を終えました。

田中忠雄は、優れた経営手腕で日本電気を牽引しただけでなく、学生時代からのバレーボールへの情熱も生涯持ち続け、その人生は、多角的な才能と情熱を兼ね備えた人物像を示しています。彼の功績は、現代の日本経済やスポーツ界にも大きな影響を与え続けていると言えるでしょう。数々の困難を克服し、時代の変化に柔軟に対応しながら、日本のエレクトロニクス産業の発展に貢献した、真のパイオニアであったと言えるのではないでしょうか。彼の功績は、日本の経済史に深く刻み込まれているのです。

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