田中末一

田中 末一（たなか すえかず）

1951年4月23日、大阪府松原市新堂に生を受けた元プロ野球選手。主に外野手としてプレーし、パシフィック・リーグの阪急ブレーブスに所属しました。

アマチュア時代

地元大阪の野球強豪校である大鉄高校に進学し、野球部に所属しました。高校3年生となった1969年夏、全国高等学校野球選手権大会へとつながる大阪府予選では、チームの主軸として活躍。準決勝まで勝ち進みましたが、当時「浪商の牛若丸」と呼ばれ、後にプロでも活躍する速球派右腕、上田芳央投手（浪商高校）の前に惜しくも敗れ、甲子園出場は叶いませんでした。全国的な知名度は必ずしも高くありませんでしたが、その並外れた俊足、堅実な守備、そして鋭い打撃を兼ね備えた「三拍子揃った選手」として、プロ野球のスカウトからは高い評価を受け、複数の球団がリストアップしていたと言われています。

プロ入り後

高校での活躍が認められ、1969年のプロ野球ドラフト会議において、パシフィック・リーグの強豪である阪急ブレーブスから、期待の現れとも言えるドラフト4位で指名を受け、プロの世界への第一歩を踏み出しました。入団時の背番号は「54」で、現役引退までこの番号を背負いました（1970年 - 1974年）。

当時の阪急ブレーブスは、後の黄金期を築き上げる途上にあり、レギュラークラスから若手まで、非常に層の厚い選手陣を擁していました。その中でも田中選手は、入団後もその素質を磨き続け、プロ3年目にあたる1971年シーズンに、待望の一軍公式戦初出場を果たしました。同年には、若手選手の育成とアピールの場であるジュニアオールスターゲームにも選出されるなど、将来のレギュラー候補として期待を集めました。

しかし、層の厚い外野陣の中で、定位置を獲得するには至らず、一軍での出場機会は限定的なものにとどまりました。プロ5年目となった1974年シーズン、チームにとってのレギュラーシーズン最終戦において、田中選手はプロ入り後初めてスターティングメンバーとして名を連ねました。この試合では8番打者、左翼手として出場しましたが、結果は4打数無安打、2つの三振を喫しました。この試合が、田中選手のプロ野球人生における最後の出場となりました。シーズン終了後、熟慮の末、現役からの引退を決断しました。

プロでの実働期間は5年間と短いものでしたが、攻守走にわたる高いポテンシャルは、当時を知る一部のプロ野球ファンの記憶に留められています。引退後はプロ野球界から離れましたが、その短いキャリアは、多くの若手選手がレギュラー定着の壁に挑むプロ野球の厳しさを物語っています。

詳細情報

背番号: 54（1970年 - 1974年）

関連項目

大阪府出身の人物一覧
* オリックス・バファローズの選手一覧（球団の系譜に連なるため）

プロ野球公式記録については、NPB.jpの個人年度別成績にて確認可能です。

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