田中正太郎

田中正太郎

田中正太郎（1885年11月23日 - 1965年1月17日）は、大正から昭和にかけての政治家、教育者、そして実業家として、北海道苫小牧市の発展に大きく貢献した人物です。初代苫小牧市長としても知られています。

生い立ちと教育

田中正太郎は、1885年に札幌県新冠郡（現在の北海道新冠郡新冠町）で生まれました。幼少期の1893年に苫小牧へ移り住み、苫小牧尋常高等小学校（現在の苫小牧市立西小学校）で学びました。その後、北海道師範学校第1部（現在の北海道教育大学札幌校）に進学し、1908年に卒業しました。

教育者としてのキャリア

師範学校卒業後、田中正太郎はすぐに母校である苫小牧尋常高等小学校の訓導として教鞭を執り始めました。教育者としての才能を発揮し、1918年には苫小牧東尋常小学校（現在の苫小牧市立東小学校）の訓導兼校長に就任。1921年には苫小牧東尋常高等小学校の校長となり、地域教育に尽力しました。1943年には苫小牧女子技芸学校（後の北海道立苫小牧女子高等学校、現在の北海道苫小牧西高等学校）の校長に転任し、女子教育にも貢献しました。

初代公選苫小牧町長、そして市長へ

戦後、町村制改正により初の公選町長選挙が実施されることになり、田中正太郎は町会議員の相武吉治郎、菊地善吾とともに町長候補として推挙されました。1947年4月5日の選挙で約60％の得票率を得て当選し、公選初代苫小牧町長となりました。町長就任後、市制施行に向けた動きを積極的に推進し、市制促進期成会の設立や苫小牧市制施行促進町民大会の開催などを主導しました。その結果、1948年3月に道議会で苫小牧市の誕生が議決されました。市制施行後も市長として市政を担い、1963年までその職を務めました。

苫小牧の発展への貢献

市長としての在任中、田中正太郎は苫小牧港の築港に尽力し、苫小牧市の産業発展の基礎を築きました。その他にも、教育機関の整備や公共施設の拡充など、多岐にわたる分野で市の発展に貢献しました。1961年からは苫小牧女子高等学校の校長を兼任し、教育者としてもその手腕を発揮しました。

実業家として、そして晩年

市長退任後は、苫小牧ガスの社長に就任し、実業家としても活躍しました。1965年1月17日に逝去。その功績を称え、没後2日後の1月19日には市葬が執り行われました。さらに、没後23年後の1988年には苫小牧市名誉市民に選ばれました。

栄典

* 勲五等双光旭日章

田中正太郎は、苫小牧市の発展に生涯を捧げた人物として、今もなお市民に敬愛されています。

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