田中碧 (野球)

田中 碧（たなか みどり）

田中 碧（たなか みどり、1987年6月1日 - ）氏は、日本の元女子プロ野球選手です。主に投手として、また内野手としてもプレーしました。投打は右投げ右打ちで、北海道苫小牧市の出身です。

アマチュア時代からの歩み

田中氏は、小学3年生の時に軟式野球チームに入団したことで、競技人生をスタートさせました。その後、埼玉県の埼玉栄高校に進学し、女子硬式野球部で技術を磨きます。高校卒業後は武蔵大学へ通いながら、クラブチームの「侍」に所属し、野球を続けました。このアマチュア時代の活動において、特にヴィーナスリーグでの登板時には、見事ノーヒットノーランを達成するなど、投手としての非凡な才能を示しました。また、プロ入り前には国際舞台も経験しており、2004年に開催された第1回IBAF女子ワールドカップでは、日本代表の一員として選出されています。この代表選出は、当時の女子野球界における田中氏の高い評価を物語っています。

プロフェッショナルキャリアの開始

2009年、日本において女子プロ野球リーグが初めて設立される運びとなり、その設立に先駆けて第1回合同トライアウトが実施されました。田中氏はこれを受験し、見事合格。同年12月に行われたドラフト会議において、兵庫スイングスマイリーズから指名を受け、記念すべき日本女子プロ野球機構の初期メンバーとしてプロの世界へ足を踏み入れることになりました。

プロでの活躍と移籍

兵庫スイングスマイリーズでのプロ生活は、2010年から2011年までの2年間でした。特にプロ初年度である2010年シーズンは、投手としてチームの主軸を担い、目覚ましい活躍を見せました。このシーズンの成績は、防御率3.98でリーグ5位、勝利数も5勝を挙げリーグ3位タイという好成績を残し、リーグを代表する投手の一人としての地位を確立しました。兵庫時代には背番号「13」を着用していました。

2012年シーズンには、大阪ブレイビーハニーズへの移籍が決まります。チームは変わりましたが、引き続き主要選手としてリーグ戦を戦いました。翌2013年には、リーグの組織変更に伴い、所属チームがノース・レイアとなりました。大阪、そしてノース・レイアでは、背番号を「15」に変更してプレーを続けました。

現役引退

2013年シーズンをもって、田中氏は現役から退くことを決断しました。同年10月24日には、所属していたノース・レイアの公式ブログを通じて、ファンに向けて現役引退を発表しました。小学3年生から始まった野球人生、そして女子プロ野球界で約4年間を過ごした現役生活に幕を下ろしました。

田中 碧氏は、アマチュア時代から高い実力を持ち、女子プロ野球リーグの創設期を支えた選手として、その経歴と実績は日本の女子野球の歴史に深く刻まれています。投手として、また打者としてもチームに貢献し、リーグの黎明期における中心選手の一人として、多くのファンに記憶される存在です。

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