田中茂穂 (政治家)

田中茂穂: 日本の政治家

田中茂穂（たなか しげほ、1911年9月15日 - 1982年10月11日）は、日本の政治界で重要な役割を果たした政治家であり、参議院議員を3期務め、その後国務大臣としても活動しました。また、鹿児島県議会議長を経て多くの政治的な要職を歴任し、その影響力は大きかったと言えます。

生い立ちと初期の経歴

鹿児島県の出身である田中は、幼少期に大阪で父を失ったことで母の兄にあたる小林俊次郎教授のもとに転居しました。これを機に彼は福岡へ移り住むものの、旧制福岡中学でのけんかによる退学を皮切りに、さまざまな学校での退学処分が続きました。特に、鹿児島一中や私立福山中学、さらには長崎県立大村中学校への転校など、教育の場での問題を多く抱えていました。

その後、東京農業大学に進学するものの、再び問題を起こし放校処分になるという波乱の学生生活を送りましたが、学生仲間の嘆願により無期停学処分にとどまり、再度同大学に復学することが許可されました。

戦後の政治活動

1937年に東京農業大学を卒業後、農林省に勤務し、鹿児島県で耕地課に従事しました。しかし、戦争の影響を受け、彼は熊本で陸軍に入隊し、大尉として終戦を迎えました。戦後、彼は再び故郷垂水に戻り、農業を営むようになります。その後の1946年には垂水農協の長、農地委員長に就任し、地域社会での活動に従事しました。

県議会議員としての活躍

1947年から鹿児島県議会議員を3期務める中で、県議会議長も務めました。自由民主党内での役割も果たし、党の鹿児島県支部連合会長に就任しました。これにより、地域と党のために尽力しました。

国政への進出

1956年、田中は第4回参議院議員通常選挙に自由民主党公認で立候補し当選を果たします。その後、急逝した同党の議員の補欠選挙にも立候補し、再び当選を果たしました。以降の選挙でも再選を重ね、最終的に3期にわたって議員を務めました。1974年の選挙では自らの意志で引退することになります。

政治的役割と受賞歴

参議院議員としては議院運営委員長や自民党の国会対策委員長、幹事長、副会長などを歴任し、非常に多様な役割に従事しました。また、第2次池田内閣での大蔵政務次官や初代佐藤内閣の行政管理庁長官を歴任し、国政への影響を強めました。特に行政管理庁長官としての役割は重要で、彼の業績は広く評価されていました。

さらに彼は全農協関係の団体で理事を歴任し、農業資本の振興に努めました。1981年には秋の叙勲で勲一等瑞宝章を受賞し、その苦労が認められる形となりました。

最後の年

1982年10月11日、田中は71歳でこの世を去りました。彼の死をもって、正七位から従三位に叙される名誉も与えられました。生涯を通じて、日本の政治と農業協同組合の発展に寄与した田中茂穂の業績は、今なお多くの人々に語り継がれています。

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