田中達也 (アニメーター)

田中達也：精密な描写で知られるアニメーター

田中達也氏は、1981年生まれの日本の男性アニメーター、イラストレーターです。宮崎県出身で、フリーランスとして活動した後、現在ではスタジオカラーに所属しています。

アニメーターとしてのキャリア

田中氏は筑波大学芸術専門学群環境デザイン専攻に在籍していましたが、中退後、アニメーション作品のイラスト制作からアニメ業界に足を踏み入れました。イラストレーターとしての活動を経て、動画スタッフとしてアニメーション制作に参加するようになり、着実に経験を積んでいきました。

彼のキャリアにおける大きな転機となったのは、2007年公開の『ヱヴァンゲリヲン新劇場版：序』への参加です。庵野秀明監督率いるスタジオカラーの設立作品に参加した田中氏は、原画スタッフとしてデビューを果たしました。

電柱作監の異名

田中氏の作画は、その精緻さで知られています。特に背景描写においては、驚くほど精密な電柱の描写が業界内外で高い評価を受け、彼を「電柱作監」というニックネームで呼ぶ者もいるほどです。この電柱描写は、単なる背景描写にとどまらず、作品のリアリティを高める重要な要素として機能しています。

『ヱヴァンゲリヲン新劇場版：序』関連の書籍である『最速ガイドブック ENTRY FILE1』や『ヱヴァンゲリヲン新劇場版：序 全記録全集』には、田中氏へのインタビューも収録されており、彼の初期キャリアや制作への思いが垣間見えます。また、『月刊ニュータイプ』の特集記事「ECOMMISSION」2008年5月号にも、田中氏のコメントとイラストが掲載されました。このイラストは、電柱と綾波レイが描かれており、「電柱作監」というニックネームを自嘲的に表現したものとなっています。

多彩な作品への参加

田中氏は、『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』シリーズ以外にも、数多くのアニメーション作品に携わってきました。テレビアニメでは、『ヤッターマン』（2008～2009年）、『しゅごキャラ!』（2007～）、『ミチコとハッチン』（2008年）、『とある科学の超電磁砲』（2009年）、『Panty & Stocking with Garterbelt』（2010年）、『IS 〈インフィニット・ストラトス〉|IS_〈インフィニット・ストラトス〉』（2011年）など、様々なジャンルの作品で原画を担当しています。劇場アニメでは、『ヱヴァンゲリヲン新劇場版：破』（2009年）、『ヱヴァンゲリヲン新劇場版：Q』（2012年）、『サカサマのパテマ』（2013年）などにも参加しています。作品によって担当する役割は異なり、原画だけでなく、第二原画やディテールワークスなど幅広い役割を担っています。また、2018年の『SSSS.GRIDMAN』では、彼の持ち味である精密な電柱描写が再び注目を集めました。

まとめ

田中達也氏は、その卓越した作画技術、特に精密な背景描写で知られる実力派アニメーターです。デビュー作である『ヱヴァンゲリヲン新劇場版：序』での活躍を皮切りに、数多くの作品に携わり、日本のアニメーション業界に貢献し続けています。彼の今後の活躍にも期待が高まります。

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