田中雅興

田中 雅興（たなか まさおき）

1977年5月5日、熊本県熊本市に生まれた田中雅興氏は、元プロ野球選手として、オリックス・ブルーウェーブに在籍しました。ポジションは外野手でした。

幼少期からプロ入りまで

田中氏が野球と本格的に出会ったのは、小学3年生の時です。地元のボーイズリーグチームに入団し、野球への道を歩み始めました。中学時代には、シニアリーグでプレーし、全国大会で三度の優勝を経験するなど、早くからその才能を開花させました。この頃から、その突出した運動能力、特にスピードが注目されていました。

高校は地元の強豪、熊本工業高校に進学します。入学して間もない1年生の春から、田中氏は早くも外野手のレギュラーの座を掴み取ります。当時チームには、一学年上の田中秀太氏（後に阪神タイガースなどで活躍）や、二学年上の高波文一氏（後にオリックスなどで活躍）といった、将来プロの世界に進む先輩たちがおり、彼らと共にレベルの高い環境で技術を磨きました。最終学年となった1995年には、荒木雅博氏（後に中日ドラゴンズで活躍）や松本輝氏（後にオリックスなどで活躍）ら同期のチームメイトと共に、第67回選抜高等学校野球大会に出場。チームはベスト16に進出するなど、甲子園でもその存在感を示しました。

田中氏のプレースタイルにおける最大の武器は、その驚異的なスピードでした。ベース一周13秒44、50メートル走5秒7というタイムは、プロ野球選手としてもトップクラスであり、この突出した俊足はスカウト陣からも高く評価されました。そのスピードスターとしての資質が注目され、1995年のプロ野球ドラフト会議において、オリックス・ブルーウェーブから5位指名を受け、プロの世界への扉を開きました。

プロ野球選手としてのキャリア

プロ入り後、田中氏はそのポテンシャルを早くから発揮します。ルーキーイヤーから二軍では外野のレギュラーポジションを確保し、打率も2割台後半をマークするなど、将来の活躍を期待させる成績を残しました。当時のチームには、既に球界を代表する存在となっていたイチロー氏がおり、田中氏の俊足や外野守備能力から、「ポストイチロー」として期待を寄せられることもありました。

しかし、一軍の厚い選手層の壁は高く、一軍ではレギュラー定着とはなりませんでした。主に試合終盤での代走や守備固めといった役割を担うことが多く、持ち前のスピードを活かしたプレーでチームに貢献しました。限られた出場機会の中でも、プロの舞台で着実に経験を積み重ねました。2001年に、プロ野球選手としてのキャリアに区切りをつけ、現役を引退しました。

引退後の活動

現役引退後も、田中氏は野球界、そしてオリックス球団との繋がりを持ち続けています。現在は、オリックス球団の職員として、チーム運営を支える立場で活躍しています。また、若手選手の育成にも熱意を注いでおり、オリックス・バファローズジュニアチームのヘッドコーチを務めるなど、次世代を担う野球少年たちの指導に尽力しています。さらに、本拠地である神戸を中心とした地域で、野球教室の講師を務めるなど、野球の普及・振興活動にも積極的に関わっています。

プロ記録

初出場：1998年5月2日 対日本ハムファイターズ4回戦（グリーンスタジアム神戸）、9回裏に五十嵐章人の代打で出場
初打席：同上、9回裏に岩本勉の前に中飛
初先発出場：1999年9月25日 対西武ライオンズ26回戦（グリーンスタジアム神戸）、9番・中堅手として先発出場
初安打：同上、5回裏に西口文也から二塁打（二塁打）

背番号

60 （1996年 - 2001年）
125 （2006年 - 2008年）

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