田代文久

田代文久（たしろ ふみひさ／ぶんきゅう）

田代文久は、1900年12月5日に福岡県直方市で誕生し、日本の政治史に名を刻んだ政治家です。彼は、1949年から1976年まで日本共産党公認として4期にわたり衆議院議員を務めました。また、囲碁の腕前も3段という実力者であり、1950年からは治安維持法犠牲者国家賠償要求同盟福岡県本部の顧問として活動していた妻、レツを持つことでも知られています。

学歴と入党経歴

田代は、旧制東筑中学を卒業後、第五高等学校に進学し、さらに京都帝国大学経済学部へと進みました。在学中は、淡徳三郎が主催する読書会から発展した社会科学研究会に参加し、学問的な探求を深めました。1929年には日本共産党に入党し、政治活動の道を歩むこととなります。

政治活動の始まり

大学を卒業後、田代は真岡炭鉱で事務員として働きつつ、共産党内での活動を続け、九州地方委員会の議長や党中央委員を歴任しました。1949年の総選挙では、福岡2区から立候補し、見事当選を果たしました。この選挙は、彼にとって国政選挙への3回目の挑戦であり、政治家としてのスタートを切った瞬間でもありました。

党内問題と復帰

その後、田代は共産党内で発生した「五〇年問題」に巻き込まれ、一時的に政治的に難しい状況に置かれました。しかし、1955年の六全協を機に、再び党内での地位を回復することに成功しました。しかし、その後の総選挙では議席を獲得することができず、苦しい時期を過ごしました。

再び国政に復帰

長いブランクの後、1967年の総選挙で当選し、約14年ぶりに国政に復帰することになりました。1969年、1972年の各総選挙でも当選を果たし、通算4期の国会議員を務めました。特筆すべきは、1972年に共産党議員として初の国会委員長に選ばれたことであり、石炭対策特別委員会を率いる立場に就くなど、議会内で重要な役割を果たしました。

政界からの引退

その後の1976年の第34回衆議院議員総選挙で落選し、政界からの引退を決意することとなりました。田代は、後に自身の地盤を小沢和秋に譲ることで、次世代にバトンを渡しました。

晩年と死去

田代文久は、1996年2月29日に心不全により福岡県遠賀郡岡垣町の病院で95歳の生涯を終えました。彼の政治家としてのキャリアや、社会運動への関与は、多くの人々に影響を与え続けることになりました。

その生涯は、政治活動だけでなく、家族や社会に対する献身も含まれ、彼の影響力は今もなお色褪せることはありません。

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